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ハンタ冨樫のように休載商法ができるのは「天才」のみという理屈

2018年02月06日
ハンタ冨樫のように休載商法ができるのは「天才」のみという理屈
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HUNTERXHUNTERの冨樫義博、彼が漫画界の休載王になってから、毎週描いている漫画家とは
どれだけの巻数が離れたのか。

ハンタ、98年6月に1巻が発行、2018年現在34巻まで発行、
ワンピース、97年12月に1巻発行、2018年現在87巻まで発行。

おいおい、どれだけリゾート気分味わったんだこの人。
全く休まずに働いていたら今頃は90巻近くになっていたはず。約40巻以上も描けたのに、どうして…。幽☆遊☆白書の時点でもう人生持て余すほどの富を得ていたため、ハンタで全力を出し切る必要もなかったのである。

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HUNTERXHUNTERだけ休載が許される

HUNTERXHUNTERだけ休載が許される


冨樫義博の休載が始まったのは、13巻から始まるグリードアイランド(G.I)編からである。たった12巻しか真面目に働いていない…休載はどんどん酷くなっていき、最低なときはネーム状態をそのままジャンプに載っけたくらいである。

そもそもネームを載っけるって、当時の編集部も編集部ですよね。

でもあら不思議。
最初は読者も「なんだよこれ!?」と驚きだったのが、
「またかよ!?」の怒りに変わり、
でも、「ん?この絵、下書きだけどなんか味があるな…」
になり、「だんだんこの下書きも良いと思えてきた」
になり、「下書きだけでこれだけ魅せるって逆にすごいな」
になり、「なんだよ!今回は綺麗じゃねーか!」
になり、「下書きのほうが魅力がある!!綺麗だともの足りない!」

になってしまったのである。

これが「当たり前」になるということだ。
最初は違和感しかなかったものや、こと、人、名前、が、人間は「慣れる」生き物なので、それが当たり前のものとなり、むしろそうじゃないことに違和感や物足りなさを感じてしまうというところを突いた!ジャンプ編集部は天才の集まりか。

もちろん、冨樫先生がそこまで考えて休んでいたのかはわからない。
ただドラクエしたかっただけかもしれない。

この人は幽遊白書の終盤の時点で、休み癖というか仕事をきっちりと終わらせないクセがある。とてもアタマが良い作者だが、感性的でもあるため、たぶんイヤになると感情的に投げ出すタイプ。天才に多いタイプ。

天才だから許される休載。

まず、休載を許されているのは冨樫先生だからである。

そもそも誰も休載なんてしたがらない。だって「読者」に悪いという罪悪感を抱くのが当たり前だし、会社にも多大な迷惑がかかり、様々な人を怒らせることになる。もしかしたら連載が切られるかもしれない。そんなことになるなら、何がなんでも原稿を間に合わせたいと思うが普通の漫画家、いやどんな作家でも同じだ。

なのにも関わらずこのオトコ…いや先生、何の躊躇もなく「今週休みます」だ。

アタマのネジが1本、いや何本かぶっ飛んでなきゃ出来ない行為。
こういう人に常識というものは通用しない。冨樫先生は天才だが、決して社会では通用しない人間。
漫画家じゃなかったらたぶんただのニートか仙人、旅人、ネトゲ廃人。そんな人を受け入れている、妻でもあり漫画家でもある、セーラームーン原作者、武内直子って器がでかすぎるだろう。
たまに嫁が描いてる。
冨樫、仕事しろ。

でも許される。その「許される」という現象を作ったのも彼が成し得たもの。
天才っていうのは前例のないことをやるから天才なんだ。
むしろ常識なんかに囚われてる、社会の枠組みにハマっているから「大衆」なんだ。

今やハンターハンターが再開されれば、

「ハンタ再開したじゃん!これで毎週の楽しみが増えた」

という一種の快感を味わえるようなものになっている。永遠に連載されていたら、それは快感にはならない。なぜなら慣れてしまうから。でも久々の連載だと…!見たくて見たくて仕方がない!久しぶりに飲むお酒や、久々に味わうものっていうのは美味しいし、気持ち良いのと同じことだ。HUNTERXHUNTERはもはや読者にとって定期的に味わえる快楽となっている。

休載していた期間、我慢したから、やっと味わえる…!ああん気持ち良い!
これだ。

狙ってやっているなら、冨樫義博は間違いなく変態。
シグルイが好きみたいなので、変態なのは間違いない。

冨樫先生がSなら、読者はM。
これは漫画家と読者の一種のSMプレイだ。

でもこれが成せるのは冨樫義博という漫画家に圧倒的な才能があるから他ならない。もう誰だって知ってるけど、彼が描く漫画の魅力はハンパじゃない。例えば東京喰種トーキョーグールの作者・石田スイ先生にも多大な影響を与えて、ヒソカのスピンオフ漫画も描かせるほどだ。

休載しまくってる漫画家なんて普通はバカにされるんだ。
でも、冨樫義博という漫画家はバカにされるどころか、むしろ評価はうなぎのぼり。
それは実力があるから他ならない。

HUNTERXHUNTERの虜

HUNTERXHUNTERの虜

ハンターハンターの魅力って何?冨樫先生の魅力ってなんなんですか?
と問われれば挙げればキリがないだろう。

主人公ゴンよりも遥かに魅力のあるキャラクター達。
幻影旅団という敵なのに魅力のある集団、チームを作ったのは冨樫先生が始めかもしれない。
クロロはラルクのHydeがモデルですが、あのHydeが実際にコスプレをしたまでのキャラクターです。ここまで認められている漫画の、しかも敵キャラっていますかね。

キャラクター、人間を描くのがもの凄く上手い。
そしてそのキャラクター達の絶妙なまでの心理描写。決してセリフ過多じゃない、説明過多じゃなく、感情の奥にあるものを、一言で表す感性。

かと思いきや、理性的で計算尽くした戦いを描いてくれたり、
かと思いきや人間の根本的な愛、母性を描いてみせたり、
頭の中に描いているものを、経験したものも、想像したものをストーリーにして絵に描くことが上手すぎる。

そして伏線を張り、気にさせること、これはこうなんじゃないかと予測させることや妄想させること、あえて「そこを省く」ということが上手い。全てを描かない、あえて描かない、あえて言わせない、あえてそこまでは言わないからカッコいいんだ。

それに、必要のないキャラクターは躊躇なく殺すということ。
漫画家であればキャラを殺すということは中々できないことだ。キャラクターは作者の意図せぬように自然と動くようになる。なのにあえて殺すんだ。愛着のある服にいきなり炎を付けるようなもの。
これも常識人には不可能な行為。天才だからできる。誰が説明するまでもなく、冨樫義博は天才なんだ。

だから許される、これだけのものを描けるから許されている。読者も待ち望んでいる。連載開始から20年経っても、楽しみに待っている読者がいるって、これもう異次元だよ、前代未聞だよ。

どこまで行くかはわからない。HUNTERXHUNTERが終わったら、多分何人かの読者は死ぬ。
ハンタ中毒、ハンタ快感に陥ってしまった読者が死ぬから、ハンタは終わらせることはもう集英社もできない。でも冨樫先生にも寿命があるし、年齢的な限界もあるだろう。いつかは終わりが来る。読者が死ぬか、作者が死ぬか、これは漫画家と読者の人間ドラマなんだ。これもうひとつの史記だろ。

というわけで、HUNTERXHUNTER、連載再開おめでとうございます。

HUNTER×HUNTER 34

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