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新海誠「君の名は。」×RADWIMPSの効果 興行収入250億も売れた理由

2018年01月06日
新海誠「君の名は」×RADWIMPSの効果 興行収入250億も売れた理由

「君の名は」がこんなに売れたのはなぜ

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今更だが「君の名は。」が一般層をも取り込んで大ヒットしたことはどこに要因があると思うだろうか?それは新海誠の背景美か、それとも売れ線狙いの要素を散りばめたからか、それともネットからの口コミによる流行現象だろうか、いやそれらも含めてここまでヒットしたのだろうが、

1番ヒットした理由はやはり「RADWIMPS」のおかげじゃないだろうか。

新海誠×RADWIMPS、この相乗効果によって君の名は。というアニメ映画はジブリ映画をも凌ぐほどのヒット作となった。

今更ながらいい仕事したなぁ、RAD。

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アニメーション監督、新海誠とは

アニメーション監督、新海誠とは

新海誠というアニメ映画監督は00年代前半に「ほしのこえ」という短編アニメーションで一躍有名になった監督である。有名になったといってもその業界のみで知られたわけであり、この頃まだ一般の人には浸透していない。

「ほしのこえ」というCGアニメーションをたった1人きりで、演出、作画、吹き替えに至るまで全てを手がけて作り上げた。スゲエやつがいる、と巷で話題となったのだ。ちなみに新海誠という男は、大企業の息子でボンボンである。

それ以降、新海誠=背景の綺麗さ、だったり切なく鬱的な恋愛ストーリーのイメージが付いていく。

その後、再び知名度を上げた作品が「秒速5センチメートル」だろうか。

秒速5センチメートルが公開された頃はすでにネットが発達しており、Youtubeやニコニコ動画などで話題を集めていた。

新海誠とネットの顧客層とは昔から相性が良い。

秒速5センチメートルまでの新海作品は正直言えば、オタク寄り、アニメ好きなオタク層のみを取り込んでいた作品であり、決してアニメを普段は見ない、学生時代に恋愛をしてきたようなリア充層を取り込めるような作品や知名度ではなかった。

そして「君の名は。」ももちろん、アニメ好きの間で知られる程度の作品だろうと感じていた。こうなることは誰も予想はしていなかっただろう。

新海誠の新作、「背景が綺麗なんだろうな」「また鬱な展開か」、公開されるまでは、新海作品が好きなアニメ好きが期待をしていただけで、皆んなそれくらいの気持ちだったはず。

誰がジブリ映画に凌ぐ国民的大ヒットになると思っただろうか。
興行収入250億円。

宮崎駿の後釜と言われていた細田守の「時をかける少女」や「サマーウォーズ」の売上を数字だけで言えば遥かに上を行った。

日本歴代興行収入ランキング

1位 千と千尋の神隠し / 東宝 / 2001年 / 308.0億円
2位 タイタニック / 20世紀FOX / 1998年 / 262.0億円
3位 アナと雪の女王 / ディズニー / 2014年 / 254.8億円
4位 君の名は。/ 東宝 / 2016年 / 250.3億円
5位 ハリー・ポッターと賢者の石 / ワーナー / 2001年 / 203.0億円
6位 ハウルの動く城 / 東宝 / 2004年 / 196.0億円
7位 もののけ姫 / 東宝 / 1997年 / 193.0億円
8位 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! / 東宝 / 2003年 / 173.5億円
9位 ハリー・ポッターと秘密の部屋 / ワーナー / 2002年 / 173.0億円
10位 アバター / 20世紀FOX / 2010年 / 156.0億円

売上が良かったのは、あくまでタイミング、運、時代との相性だろう。


王道展開てんこ盛り

王道展開てんこ盛り

作品内容だけで言えば、どこかで見たことのあるような展開を全て良いとこどりして上手いこと繋げただけのような作品が「君の名は。」

男女の入れ替え、女子高生、隕石落下、タイムリープ、セカイ系、恋愛、思春期男子の心をくすぐる性的要素、

どれもどこかの作品で見たようなものだが、それを全て上手いこと組み込み、繋ぎ合わせて、ひとつの作品としてまとめあげた。

だがこれは実は凄いことじゃないだろうか。たぶんどこかのアニメ監督は全員が嫉妬しただろう。

今更全くオリジナルのものを作るのは今の時代じゃもはや無理である。目新しい設定や展開、セリフ回しやキャラデザなんてもう作れない。全て過去に出尽くしてるんだ。

過去の作品の良いとこどりをして、これだけ上手くまとめあげた新海誠とその周りの人達の手腕が凄かったんだ。なぜなら他に誰もやらなかったのだから。

「耳をすませば」なんかとも似てるし、「時をかける少女」にも似てる。
「最終兵器彼女」や「エヴァ」、君の名は。を語るときには色んな過去の作品の名が挙がるだろう。

それはそれらの良いところを全部注ぎ込んでいるからだ。
そしていらない部分は剥ぎ取った。
詰め込めすぎず、必要のない部分は削る。
鬱展開もなく、王道展開にしてハッピーエンドにしたからこそ一般の人も楽しめたと言える。

しかし、いくら王道展開とは言え、ジブリのようなブランド力がそれまでにあるわけでもなく、いきなり250億円もの大ヒットになるわけがない。君の名は。以前までの新海誠ブランドはほんの微々たるものだ。

それに内容やキャラデザインだけ見れば、君の名は。だって秒速5センチメートルなどと同じオタク層寄りの作品。

悪い言い方をすれば、

男女入れ替えでおっぱい揉む、年上先輩とのイチャイチャ、口噛み酒、それを飲むからの「ヘンタイ!」

からの見てる人が妄想。

こんなのを本気で喜べるのは、社会に出たことのない、まだ青臭い瀧くんのような童貞くんくらいだろう。良い言い方をすればまだ感受性豊かで、君の名は。を見たら余韻が消えずにすぐにでもサントラを買うような、10代キッズ達だろう。

つまり君の名は。のメインターゲットは10代~20代前半くらいまで。
まだ恋愛に夢見てる少年少女達。

それ以降の年代の大人で、「心から感動した、この作品はヤバ過ぎる」なんて言う人がいればはっきり言って、そいつのほうがちょっとヤバイ。社会性が欠如している大人じゃないだろうか。

だからこそ、君の名は。が250億円もの大ヒットしたことに疑問が湧く人も多いはずだ。250億円というヒットは老若男女まで、全ての人が見たといってもいいくらいの数字だ。時代や世代を超えた普遍性のある映画だということ。

でも君の名は。が見れるのは内容的に、明らかに10代~20代前半あたりの層じゃないだろうか。

一体なぜこれだけの人が見たのか?

新海誠×RAD×SNS

新海誠×RAD×SNS

250億という数字、

君の名は。に関して言えば、これは老若男女が見た数字ではないんじゃないだろうか。この数字を作ったのは全て若者であり、若い世代がSNSで拡散し続けることによってリピーターをも生み、250億という数字を作り上げたのだとしたら、それならば納得がいく。

ジブリ映画は全世代が見る映画だが、君の名は。にその要素はない。
日本人の中心にある世代、40代や50代も見れるかといえば答えはNO。

だとすれば逆に凄すぎる映画だということ。
全ての若い世代がこの映画を見たとのだとしたら、凄すぎるということ。

そしてそこに一躍買ったのがRADWIMPSだということだ。

RADがいなければ全ての若者が見ることはなかっただろう。なぜなら君の名は。どちらかといえばオタク寄りな絵柄や内容だからだ。

RADWIMPSというバンドは、君の名は。でヒットする以前からバンド好き、音楽好きの10代~20代後半くらいまでの層に絶大な支持を得ていたバンドである。何も君の名は。で有名になったわけじゃない。確かに一般層まで聴かれたのは君の名は。だが、それ以前からも厚い支持があった。いわばカリスマ的存在、BUMPと同等かそれ以上の人気はあったはずだ。

アニメ好きとロックバンド好き、被っていないように見えるが被っている。
サブカルチャー好きならばRADは聴いているし、新海誠の作品も見ている。

しかし、完全なアニメ好きのオタク層と、ロックバンド好き層は被っていない。
どちらも同族嫌悪しているだろう。

だからこそ、その両性を持つ、ちょっとニワカなサブカルチャー層を取り込むことが1番手っ取り早い。

新海誠×RADWIMPS

この掛け算で取り込んだ層はまず、

新海作品を好むアニメ好きや、アニメを徹底して見ているオタク。
RADWIMPS好きな音楽好き、ロックバンド好き。
両者が好きなサブカルチャー好き。

これらの若者を一度に、一気に取り込んだ。

そして彼らとSNSの相性は抜群。

彼らのようなアーリーアダプターが最初にSNSで拡散し始める。

「今回の新海作品は~」
「RADのあの曲が~」
「この映画凄いかもしれない」

このあたりでネットメディアがこぞって取り上げるようになり、ネット上での人気が爆発的に上がっていく。

それにより、普段はアニメを見ない、RADを聴かない若い層にも気づかれ始める。

「なになに、コレめっちゃ面白いって!」
「今凄い流行ってるらしいよ、見る?」

普段アニメを見ない層とは、現実で君の名は。のような恋愛ができる人達のこと。
今で言うリア充、パリピ、ウェーイ系、恋愛強者、彼らのことだ。

彼らの行動力は半端じゃない。彼らが気づき始めることにより、更なる拡散が生まれていく。

彼らにより拡散されたことで、次に大きなメディアが注目し始める。
それが、テレビである。

テレビが「君の名は。」を宣伝しだすことにより、ここでSNSをやらない層にまでその名前が届くことになる。テレビの力は尋常じゃない。このテレビ効果でSNSでの拡散の比にはならないほどの拡散が生まれていく。

こうして拡散による拡散、拡散による別の世界への拡散によって君の名は。は興行収入250億円という数字を叩き出した、のではないか。

ここで大切なのは、1番最初に拡散してくれる層である。

これがもし、過去からの新海誠作品好きにしか拡散されなかったとしたら、その声はアニメ好きまでしか届かなかっただろう。

RADWIMPSだけのものであれば、それはロックバンド好きや音楽好きにしか届かなかっただろう。

両者を掛け合わせたことで、どちらの層も取り込み、更にどちらも好きな少しニワカ層も取り込んだ。この最初の段階の拡散が次へ上手く繋がったということ。

「君の名は。」はこのSNS時代に見事にクリーンヒットした作品、時代に選ばれた作品なんじゃないだろうか。 価値観が多様化し、流行が生まれにくい現代においてこのような作品が生まれたことは単純に喜ばしいことだろう。

だから「君の名は。」は、とても凄い映画だ。これだけ多くの人が発信できる時代に、選ばれた特別な映画だ。

という風に持ち上げられた新海誠の次回作へのプレッシャーは半端じゃない。

次なる作品がどうなるか、そこが1番楽しみでもありつつ、見てしまえばまた語りたくなるのだろう。

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