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Suchmos(サチモス)が他のバンドとは違うところ

2017年02月09日

Suchmos(サチモス)

サチモス、他のバンドとは何か違う

ものすごいスピードで人気街道を突っ走っているバンド、それがサチモスである。今や「STAY TUNE」を聴かない日はないほどだ。まだ彼らが世に出てきてほんの1,2年しか経っていない。急スピードで駆け上がっていくその様は見ているこっちが気持ちよくなるほど。彼らはこの先のバンド界の新しい顔となった。なぜ彼らのようなバンドが出てきて、今の時代に人気となっているのか。それは時代性が生んだものか、彼らが好きやっていたら時代に選ばれたのか。サチモス以降のバンドシーンは何かが変わるかもしれない。

サチモスは今までの日本のバンド像とはちょっと違う。どっちかと言えばヒップホップ寄りのバンドであるサチモスだが、その音楽性はヒップホップだけではなくブラックミュージックやジャズやロックの要素も取り入れている挑戦心あるバンドである。

リア充の集まり、それがサチモス

サチモス

サチモスが他のバンドと何が違うか、それはメンバーがみんなリア充。そう、クラスカースト上位生のリア充達がバンドを組んだから音楽もスタイルもファッションもカッコいい。これが1番他のバンドとは違うところである。

ロックバンドとはつまるところ、自分を表に出せない内向的な人だったり、内側に溜め込んだ鬱憤を吐き出したかったり、モテなかったからバンドをしてモテたかったり、そういった非リアな人が音楽によって多くの人に認められる。非リアによって作られる非リアだけの世界がロックバンドだ。かつてロキノン系と呼ばれていたバンドなんて諸々そんな人達が集まったバンドばかりである。だからロックバンドはメジャー、つまりリア充達へのカウンターカルチャーであった。内向的でアンダーグラウンドなものがロックバンドであった。

しかしサチモスはそこをぶっ壊しにきたバンドである。サチモスのみんなはもうなんかそういう非リアなオーラが一切出ていない。俺たち、昔からこうだけど?みたいな全能感、自信、未来への希望、に満ち溢れているのがバンド全体から感じとれる。

サチモスのメンバーは何よりまだ若い。全員がまだ20代であり、ボーカルのヨンスは25歳。25歳にして大ブレイク、バンド界を引っ張っていく筆頭として持ち上げられている。自信に満ち溢れ、勢いのある人間はカッコいいものだ。それが元々クラスの中心にいて、女子とも普通に話せたようなリア充達がやればもっとカッコよくなる。なんていうか、メンバーの人生の背景なんて知らなくても、サチモスのメンバーの風貌を見ればなんとなくわかるだろう。この人達は競争社会の上の人達だなってこと。クラスの隅っこで音楽を聴いているような奴らではないのさ。

それにメンバー達はただのリア充じゃない。子どもの頃から音楽に触れてきたメンバーが大多数。ボーカルのヨンスなんてお姉ちゃんの影響で3歳からバレエを始めて、中1でニュージーランドで生活したことがあり、その後にバーを経営してるおじさんからアコギとニルヴァーナのアルバムをプレゼントされ、高校で自分達のたまり場であった藤沢でバンドを組むっていう、生まれたときから人生勝ち組街道だ。神奈川藤沢をたまり場にしていたという時点でお察しのリア充だろう。言いすぎに言えば現代のカート・コバーン、それがヨンス。

歌詞がダサいのにカッコいい

「ステイチューイントーキョーフライデーナイト」

この一見ダサく見える英語も、彼らが歌うことによってカッコよくなってしまった。彼らの歌詞はよく見れば見るほど、見方によれば陳腐でダサく見えてしまうものがある。

超大ヒット曲「STAY TUNE」の歌詞だってそれほどカッコいいわけじゃない。

ブランド着てるやつ もうGood night
Mで待ってるやつ もうGood night
頭だけ良いやつ もうGood night
広くて浅いやつ もうGood night

なんて歌詞。決して大企業のCMを務められる楽曲の歌詞じゃないが、彼らが歌うとカッコいいからみんな認めた。藤沢のヤンキーがなぜここまで成り上がれたのか、よく考えてみてほしい。

MINTの歌詞なんてこう

ハイゲインノイズでノックアウト
ふらふらで 大気圏までGOだ

サチモスはヤンキー的な要素があり、そこに音楽性と芸術性が上手いこと加わっている。そこがただのオシャレバンドでは終わらなかった理由だろう。ヤンキー的な要素が含まれているから普段は音楽なんて趣向にはしていないモテる女の子達やマイルドヤンキー達にも受ける。更にそこに音楽性、アート的なものも見事に存在しているから音楽好きからも認められつつあるわけであり、両方向から攻めていけるし、受け入れられる。つまるところサチモスヤバイってこと。

こういうヤンキー的な歌詞が含まれているロックバンドなんて数年前じゃ受け入れられなかっただろう。4つ打ちバンドが続々と出てきた頃には考えられなかったはずだ。なんかもっとこう、哲学的で比喩的で、日本語表現の長けた自我を揺さぶるような歌詞がバンドのスタンダードだったわけだ。例えばそれはBUMPやRADWIMPSのような。

しかしサチモスはそこをぶっ壊しにきている。サチモス以降はサチモスのフォロワーが続々と出てきているだろう。

しかし、歌詞を見ればサチモスは1番ロックらしいロックをやっているとも言える。どこかにある不平不満をぶちまけているのが今のサチモスである。「STAY TUNE」の歌詞にもそれは見られるし、他の楽曲も今の日本社会を皮肉る歌詞だったり、全員が同じように生きている生活に対して疑問を投げかけていたり、それはどう見てもロックバンドであり、カウンターである。サチモスを印象づけているのは所詮はサチモスを見ている第三者。サチモス自身は誰よりもロックバンドであるのかもしれない。

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インディーズとかメジャーとかもうない

サチモスを見るとすでにそれは存在していないんじゃないかと思わせる。昔はインディーズとメジャーなものへの境界線があり、どちら側の世界にいるかでその人の人間性や趣向もそれぞれ違っただろう。周りの知らない音楽を知っていることが、ステータスであった時代があった。しかし今の時代はそれがもうなくなってきている。たった一年前までインディーズ、いわばマイナーなところにいたサチモスだが、一瞬にしてメジャーなバンドへと変貌した。しかしサチモス自体の姿勢は変わることなく、カッコいい音楽をやりたいがためにバンド活動を続けている。

インディーズもメジャーも今の時代にはもはや関係がない。世界中のどこからでもアーティストを知れる時代だ。それがカッコいいもの良い物であれば一瞬にして拡散され、それがCMに使われて日本中に知れ渡る。一瞬にして知れ渡ったから、サチモスを語る人間はもうそれぞれ多種多様である。もともと早くからYouTubeで見つけて聴いていた音楽好きから、田舎のマイルドヤンキーまで。それが知れ渡るスピードが今の時代は尋常じゃない。

サチモスは時代に選ばれたアーティストだ。それまでの価値観を変えるような、以降のシーンに多大な影響を与えるようなアーティストが10年周期くらいで出てくるものだ。サチモスはそれに当たる、彼らが出てきたのは必然であり偶然。10年後には2010年代後半を代表したアーティストだと彼らは語られているだろう。

 



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