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僕の彼女「SEKAI NO OWARIの深瀬さんのほうがカッコよくて好き」

2017年05月19日
僕の彼女「SEKAI NO OWARIの深瀬さんのほうがカッコよくて好き」

Fukase Ni Makeru

これは今から5年以上前の実話に基づいたお話。そして僕が、SEKAI NO OWARIという存在を気にせずにはいられなくなったお話です。

コラム「僕の彼女『SEKAI NO OWARIの深瀬さんのほうがカッコよくて好き』 」

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「深瀬さんカッコいい・・・!」

彼女は確かにそう言った。

FUKASE…という単語が僕の目の前に現れた瞬間である。

「どこのどいつだ・・・?」

僕はそう思ったが、そのバンド名を聞いたときにその存在はすでに僕は知っていた。それは今からもう5年以上前のこと。彼らは「世界の終わり」、というバンド名で活動していた。彼らを初めて知ったのはYoutube、僕はその頃23歳くらいだっただろうか。ネットという海をひたすら彷徨っていた僕の前に流星の如く現れたバンド、それが世界の終わりだった。

当時、僕に見る目はなかったと言える。全員が白装束を纏ってなぜか1人だけピエロのお面を被り、当時としてはわけのわからないバンド名である「世界の終わり」という名、「幻の命」という楽曲を病んでいる顔をして歌っているボーカルの男。ミスチルが好きな僕としては「何ふわふわ歌ってんだ、もっと腹から声だして情熱的に歌えよ」だった。「これはよく出てくるマイナーなバンドだな・・・ピエロでインパクトを与えているだけ、女の人は可愛いよ」程度の感想だった。そう思った僕の目と耳は見当違い、大きな間違い、バカだったと気づくのにそんなに遅くはなかった。

僕はいつも間違いばかりをしている。

 

FUKASE NO JUBAKU

僕が「世界の終わり」を知り、しばらくして彼女はこう言った。

「深瀬さんカッコいい・・・!」

彼女は携帯の待ち受けをその男の画像にしていた。彼女に見る目はあったのだろう。何せまだ世界の終わりはSEKAI NO OWARIという名になる前、メジャーデビューすらしていなかった。スマホもまだ普及し始めた頃、あれは2011年くらいだっただろうか。

あのバンドのどこがいいんだろう・・・?胸の中ではそう思っていたが僕はそれを口にはしない。彼女との関係もあまり上手くいっていなかったのか、ただの倦怠期だったのか、彼女は何度も何度も

「深瀬さんカッコいい」とか
「深瀬さんのほうが歌が上手い」だの
「深瀬さん好き」だの
「深瀬さん、深瀬さん、深瀬さん、ふかせふかせふかせふかせフカセfukasefukase・・・」
「FU・KA・SE!!!」
「SA・TO・SHI!!!」

 

「あ”〜!!イライラする!!!!!」

僕の中のイライラリミッターは限界突破して超究武神覇斬を炸裂しそうだった。でも僕はずっと我慢していた。彼女よりも自分のほうが年上だったし、自分とはかけ離れたアーティスト、冗談で言っているんだろうと思っていたからだ。でもどうやら彼女の世界の終わりへの愛、深瀬という男への愛は本物で、僕はこの男に何かを奪われたような気がした。なんてのは冗談であるが、彼女の世界の終わりへの情熱が本物だったのは間違いない。

「あの曲はあんまり好きになれなかったけど、聴いているうちに好きになってこれた」
「彩織さんのブログがなんとかかんとか・・・」

など、それはそれは真面目に聞かされたものだ。このときから僕の脳裏にはFUKASEという単語が焼き付いて剥がれない。瀬なのに深い、そんなわけもわからない単語に足を引きずりこまれた。

でも、僕は世界の終わりにどうしても興味はもてなかった。自分が好きであるMr.ChildrenのCDを渡したり、「ミスチル聴いてね!」と何度も言ってみたりしていたのにだ。

僕という人間を初めて肯定してくれた人、それが彼女だった。それに気づかずに甘えていのだろうか。自分がどんな人間か、わからなかったのだろうか。いつも他人とは上辺だけ、希薄さだけは一丁前の関係を続けていた自分の前に現れたのが彼女だった。

「海を見に行こう」

そんな一言でいつもどこかへ出かけた二人。

その間に世界の終わりというバンドはいつの間にか少し有名になっていた。

「あれ、名前が英語になってる・・・この花鳥風月って曲・・・少し良い曲かもな・・・」

僕はそう思った。あれはいつだっただろう、何年前かの夏の日。

 

スターライトパレード、覚えたよ

彼女を分かってあげたい気持ちもあった。Fukase Fukaseと鳴り止まないアラームのように何度も言われれば否が応でもSEKAI NO OWARIを知ることになる。彼女の存在のおかげで僕の中へSEKAI NO OWARIは流れ込んでいった。僕は当時彼らが絶賛リリース中だった「スターライトパレード」を覚えて彼女の前でカラオケで歌っていた。「インスタントラジオ」も「ファンタジー」も覚えて歌っていた。でも僕はSEKAI NO OWARIにそこまで興味がないから、ちゃんと歌いきることはできなかった。

「眠り姫、歌ってほしい」

そう言われて「眠り姫」だって覚えようとした。それを覚えようとはしたけど、僕はまだFukaseが好きになれなかった。歌声だけで判断し、このナヨナヨ野郎!と思っていた、むしろ嫌悪感すら覚えていた。

それを彼女の前で歌っているときの気持ちも表向きだけだったのかもしれない。彼氏と彼女の関係、それを演じていただけなのかもしれない。ミスチルを1人で歌っているときのほうが気持ち良かったのだから。

いや、本当にそうだろうか?

「自分の気持ちを誤魔化すのだけは得意だよね」

誰かがそう言った気がした。

SKEAI NO OWARIの人気に火がつくにつれて、2人の気持ちは冷え切っていった。

 

ライブのチケット

僕も彼女も仕事がお互いに忙しくなっていった。そうしてお互いの気持ちはいつしか離れていったのだろう。どこにでもある、ありふれたラブストーリー。

SEKAI NO OWARIというバンドは躍進を続けていく。それでも僕はまだ彼らに興味を持っていないし、自ら聴こうともしない。

セカオワ、という略し方も浸透していった頃だ。セカオワが「炎と森のカーニバル」というライブを開催するという情報を耳にした。

彼女は「チケットを取ってほしい、一緒に行こうよ」と口にしていた。でも僕はこのチケットを取ることはなく時は過ぎていった。

忙しい日々に僕はもう疲れきっていたんだ。

もう若手バンドのライブに行くような歳でもなく、彼らに熱意を注ぐような余暇もなかった。

SEKAI NO OWARIは「炎と森のカーニバル」というライブを大成功させたという。実現不可能と言われた巨大樹をモチーフにしたライブセットを作り上げ、まるで幻想的な世界へ誘うかのようなショーで観客を魅了した。

 

「今日はさよならを言いにきました」

彼女は確かにそう言った。

なんとなくは予感がしていたんだ。でもそれを受け入れることは僕にはできなかった。

いつしか終わりが来ることは予感していたけど、それを見てみぬフリをしていた。「なんとなくの大丈夫」は、大丈夫じゃないときのほうが多い。僕はそうやっていつも何かから逃げてきた。

人は、何かを失ってから初めて気づく。モノクロだった景色が彩りを見せたのは誰のおかげだったのだろう。

「お互い子どもだったんだ、あれはただの恋愛ごっこだった」

そう言い聞かせても自分の中で膨らみ続ける彼女の存在。なぜこんなにも大きなっていくのか自分でもわからない。会っていたときよりもこんなにも愛おしく思えることが苦しくて苦しくて胸が張り裂ける想い。

「このまま消えていなくなろうか。このまま手を離せば、きっと死ねるだろうな」

そう思いながらハンドルを握る汗ばむ手。死にたくなるほどの絶望を抱えていた。いつの間にか僕は彼女に心も身体も依存していたことに気づけなかったんだ。いつも一緒にいた、毎日毎日飽きもせずにひたすら一緒にいた。誰にも話せないこと、見せられないこと、全てをさらけ出せたのが彼女だった。一緒にいるときはそれが"当たり前"だったから気づくことができなかったんだ。いつの間にか彼女なしで生きれる心を僕はもう持っていなかった。

海の見える方向へ歩く彼女の写真は、まだ少しも色褪せることなく飾られている。どれだけ瞼を腫らしただろう、何もしていなくても流れていくそれが不思議でたまらない。自分はこんなにも弱い人間だったのか・・・恋愛に溺れていく人を小馬鹿にしていた・・・見下していた・・・自分のほうがよほど脆く愚かな人間だった。

僕の世界は再びモノクロに沈んでいった。何かが壊れ、崩れていった。

そんなとき、

「空は青く澄み渡り、海を目指して歩く」

また僕の前にその歌声は聴こえてきた。隣にもう彼女はいない。

「SEKAI NO OWARI、聴いてみようかな・・・」

僕は初めて、自分からSEKAI NO OWARIというバンドについて調べてみた。

 

世界が終わったようなときに・・・

僕はそれまで彼女のために彼らの曲を数曲覚えただけであり、Fukaseのことは知っていても何一つ彼らがどんな人なのかも知らなかった。

なぜもっと早く知らなかったのだろう。彼女は見る目があったのだろう。

僕はそう思った。

調べれば調べるほど、「なんて…人達なんだ…!」と素直に惹き込まれていった。

そもそもこの人達は自分とあまり歳も変わらない…ほぼ同世代じゃないか。そんなことも初めて知り僕はますます応援したくなり、それからというものの僕はSKEAI NO OWARIを追い続けている。工場跡地にclub Earthというライブハウスを自分たちで作った!? 自分が病気になって何もかもを投げ出して世界が終わったような瞬間から「世界の終わり」というものを作った!? 何なんだこの人達は…!僕はなぜもっと早く関心を持たなかったのだろう、あのとき彼女の話にもっと耳を傾けていれば、という後悔も溢れた。

Fukaseという人は、この人達は全くナヨナヨなんてしていなく、熱意に満ちていて、常に凛として自分の目標に立ち向かって戦ってきた人達だ。それは、この人達を見てきた人ならわかる。僕なんて到底、足元にも及ばない存在。

Fukase、いやFukaseさん、いやFukase先輩と呼ばせてください。僕はFukase先輩のようにさっぱりしていて男らしくもない。僕は彼女に依存し、いつまでたっても未練たらたらで女々しい腐ったような男だった。

 

「チケットを取ってほしい、一緒に行こうよ」

なんであのとき取らなかったのだろう。僕はずっと後悔していた。

そして決めた。彼らのライブへ行くと。

僕は、1人で行くことにした。

そのライブはSEKAI NO OWARIが一大決心して開催したライブであった。あの場所でそれを見た何十万人という人の心に今も残っているだろう。

日産スタジアムで開催され2日間で14万人を動員した「Twilight City」。

僕はそれを見て、自然と涙が出た。

その涙は、あの時流したものと同じじゃない。

なんてものを作り上げたんだと、鼓動の高鳴りが止まなかった。このライブはSEKAI NO OWARIにとっても特別で、全身全霊をかけて作り上げたライブである。ステージセット、演出、パフォーマンス、あらゆる面で彼らがそのとき他の誰よりもNo.1だ!と僕は感じた。

Saoriさんは確かこのときこんなことを言っていた。

「このライブはスタッフもほとんど私達と同じくらいの年齢の人達で、日産スタジアムに初めて携わる人達ばかりで・・・」

あぁ、こんなにも人の心を動かすことを同世代の人達がやっているのか・・・その事実をとても誇りに思えた。

Fukaseさn、Fukase先輩は確かこんなふうなことを言っていた。

「暗いバンド名だねと言われたり、売れないね、メッセージ性がないねと言われたりしたことも沢山あった。傷つくようなことも沢山あったわけですけど・・・、でも僕は今、日本で1番大きなステージに立っています!!」

「僕が何を言いたいか分かりますか?みんなも負けるなってことです!全ての戦ってる人に捧げます。Fight Music!」

なんてカッコいい男なんだろうか。大きすぎる存在だと思った。

自分の存在がミジンコ以下に感じた。

こんなにもカッコいい男が、「いいねぇ」の一言で会場に地響きを鳴らすことは当然だ。

あのときの煌めきはあの瞬間にしか、あの場所でしか見れなかったものだ。僕はこのライブを訪れて、今度は後悔は何もなかった。

 

幾月が流れ

それから僕は変わらない日常を過ごし、変わっていく自分と歩いてきた。彼女とのことも、今では思い出として綺麗に閉まってあるし、こうやって思い返すこともできる。どこにでもある、ありふれたラブストーリー。

そして時は流れ季節は巡る。

Fukaseという人は僕の周りに何度か登場する。それだけこの人が人気な証なのだろう。

その人は、こんなことを僕に言った。

「Fukaseとか最近みんな良いって言うけど、どこがいいのか私にはさっぱりわかんないな」

僕はこのときFukaseという存在をとにかくべた褒めして説明してやった。あの頃、何がいいのかさっぱりわからなかった存在が僕の中でこんなにも変わったんだ。

人の気持ちはいくらでも変わるし、変えていける。気持ちが変わっていくことはなんにも悪いことじゃない。気持ちが変わるからこそ人は明日も生きていけるんだと思う。

それはSEKAI NO OWARIがそうであるように。

彼らはあれからも変わり続けて、何かに挑戦し続けている。その背中を僕も見続けている。今では彼らが何かするたびに気になってしまう僕だ。彼らの絵まで描いてしまうほど好きになってしまった。

SEKAI NO OWARIで何かが変わった人はそれはまるで星の数ほどいるだろう。僕もその一人、彼らに魅せられた人間である。こんな普通に生きている人でも、彼らのような存在で日々の生活や生きていくための気持ちが変わっていくことを知ってほしいと思う。

世界の終わり、SEKAI NO OWARIというバンド名を変だと言う人はもういない。彼らはそれを当たり前のものとした。なんてカッコいいことなのだろう。僕は少しでも彼らのようなカッコいい人になりたいなぁと今では思っている。

季節は巡り、またあの頃と同じように夏が来る。

花鳥風月が僕の胸に響く。

 

 

 


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