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今だからこそ聴きたいオザケンこと小沢健二の魅力 歌詞から見る

2016年09月27日

小沢健二

「オザケンって知ってる?」なんて今の若者に聞いたところで「?」が頭の上に付く人が大多数だろう。でも今だからこそ聴きたいオザケンこと小沢健二。「渋谷系」の代表格であり「渋谷系の王子様」なんてかつては言われ、女の子たちにとってはアイドル的存在でもあった。日本を代表するポップスターでありアーティストであった彼が作った音楽は今でも十二分に通用する。例えば近年ではブラックミュージックを日本のポップスに昇華して人気を得た星野源がいたり、シティポップスを鳴らすバンドが多数出てきたりと、渋谷系が見直されていたりと、オザケンは今だからこそまた聴かれる存在である。最近でもCMでオザケンの曲がカバーされていて「懐かしい!」と思った人もいるのではないだろうか。若い人、小沢健二をYoutubeでチェック!小沢健二はどんな曲を鳴らしていたか。

タモリが絶賛した小沢健二の歌詞

小沢健二が作る音楽の魅力のひとつに歌詞がある。東京大学を卒業し、恵まれた家系の中に生まれた彼だからこそ生まれてくる言葉の数々。頭の良い彼だが、そこには何も難しい言葉なんてどこにもない、誰もが知っているような言葉を使っている。しかしなぜか深い、聴いている人は深みがあるように捉えてしまうような文節になっているのが小沢健二の歌詞の1番の魅力である。小沢健二がヒットしてからすでに20年の月日が流れているが未だに彼のような歌詞を書く人はいないんじゃないだろうか。

あのタモリさんが絶賛したことは何よりも有名だ。小沢健二が96年の「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングのコーナーに出演した際に絶賛された。絶賛されたのが特に歌詞の部分である。

小沢:タモリさんねぇ、僕の作品をびっくりするぐらい理解していただいていて。ありがとうございました。
タモリ:いやいや、とんでもない。最近ね、ホントに歌の歌詞で「あぁ」ってなった人っつうのはね、この人しかいないのよ。
小沢:あはは(笑)。それがだから、何か僕はホント、そうだなぁ…、音楽とかは全然年の差とかは何にもないんだろうなって思っていて。で、絶対この世代に向けてとか、そういんじゃない…。僕は少なくともそういんじゃないですから。そしたらタモリさんがああいうことを言ってくださってホント嬉しかったですね。
タモリ:あれはねぇ、本当に驚いたのよね、最近では。
以下(「あれは生命の最大の肯定」タモリが絶賛した小沢健二

さよならなんて云えないよ(美しさ)

青い空が輝く 太陽と海のあいだ
"オッケーよ"なんて強がりばかりの君を見ているよ
サクソフォーンの響く教会通りの坂降りながら

美しさ;oh baby ポケットの中で魔法をかけて
心から;oh baby 優しさだけが溢れてくるね
くだらないことばっかみんな喋りあい
嫌になるほど続く教会通りの坂降りて行く

日なたで眠る猫が 背中丸めて並ぶよ
"オッケーよ"なんて強がりばかりを僕も言いながら
本当は思ってる 心にいつか安らぐ時は来るか?と

美しさ;oh baby ポケットの中で魔法をかけて
心から;oh baby 優しさだけが溢れてくるね
くだらないことばっかみんな喋りあい
嫌になるほど誰かを知ることはもう2度と無い気がしてる

左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる
僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも

南風を持ってる 旅立つ日をずっと待ってる
"オッケーよ”なんて強がりばかりをみんな言いながら
本当は分かってる 2度と戻らない美しい日にいると
そして静かに心は離れてゆくと

美しさ;oh baby ポケットの中で魔法をかけて
心から;oh baby 優しさだけが溢れてくるね
くだらないことばっかみんな喋りあい
町を出て行く君に追いつくように強く手を振りながら

いつの日か;oh baby 長い時間の記憶は消えて
優しさを;oh baby 僕らはただ抱きしめるのか?と
高い山まであっというま吹き上がる
北風の中 僕は何度も何度も考えてみる

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あのタモリさんがここまで褒めた人は他にはいないんじゃないだろうか?タモリさんが他人を褒めちぎることは中々ない。その一人が小沢健二である。

「笑っていいとも!」の最終回直前、2014年に小沢健二は再びテレフォンショッキングに出演した。10年以上も長く芸能界や音楽業界から去っていた彼が再び地上波のテレビに出たのはタモリさんへの恩義だろうか。その出演以降、息を潜めていた小沢健二はマイペースながらも再び音楽活動を表立って行っている。

タモリさんのいう通り、小沢健二の歌詞は簡単な言葉を使っているのに深みを感じることができる。難しい言い回しもない、説教臭い言い回しもない、気取ったようなカタカナ英語や専門用語が出てくるわけでもない、子どもでもわかるような言葉が続いているのにどこか深い意味があるように聴こえてくる。そう、子どもでもわかるような言葉だから子どもにも響く。大人はあの時の情景や思い出を楽曲とともに浮かべることができる。それが小沢健二の歌詞の魅力だ。あの頃の思い出や気持ちを思い起こす作用を持っている。

そしてもうひとつ、彼の歌詞にはずるいところがある。それは楽曲の途中までは特定の「君」や「あなた」だったものが、曲を聴いている「みんな」や「僕ら」に切り替わることだ。今ではなんてことない手法にも見えるが、これは小沢健二特有のものにも見える。

例えば上の楽曲「さよならなんて云えないよ(美しさ)」でも「"オッケーよ"なんて強がりばかりの君を見ているよ」が「"オッケーよ"なんて強がりばかりを僕も言いながら」になり、「"オッケーよ"なんて強がりばかりをみんな言いながら」に切り替わる。

「ぼくらが旅に出る理由」でも「遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ」が「遠くまで旅する人たちに あふれる幸せを祈るよ」に切り替わる。

「ラブリー」では「君」と「僕」の物語だったものがラストの「世界に向かってハローなんつって手を振る」「いつか僕ら外に飛び出すよ」「誰かの待つ歩道を歩いてく」で二人きりだった世界が一気に広がったような気がしてくる。一対一だったものがラストのサビで世界が広がる快感を与えてくれる。

そんなところも小沢健二の歌詞の魅力だ。

突き抜けるくらいどこまでもポップ

小沢健二の楽曲はとにかくポップであることを追及している。ポップとは一体何なのか、万人受けするメロディーか、大衆受けする曲展開か、王道の音楽理論か、いつの時代も通用する普遍的な音楽のことか。それは人それぞれに値するだろう。小沢健二の楽曲はとにかくポップである。みんなのうたになる楽曲に共通することはポップであることだ。小沢健二の誰にでもわかるような歌詞と楽曲のポップスさがミックスされたとき、それはみんなのうたになり得る。彼が作った楽曲が今も通用するのはポップだからだ。時代を超えて響く歌はこういう歌のことを言う。

今の時代だったら星野源がいるだろう。彼の歌もまたどこまでもポップであり小沢健二の歌に通じるものがどこかにある。星野源が好きな人は小沢健二を好きになれるだろう。ファンは比べてほしくないかもしれないが、世界を肯定しているところは共通点がある。タモリさんが小沢健二の歌詞を「生命を肯定している」と言っているが、それがポップであることの答えなんじゃないだろうか。何かを否定したり闇を持っていたり、深く沈んでいることがポップと言えるだろうか。どんな時代にもポップとはとにかく世界を肯定していることだ。

歌は下手だっていい どこか欠けているから

小沢健二ははっきり言ってしまえば歌は上手くはない。完璧な人なんてこの世にはいない。東大を出て音楽の才能に恵まれてヒット曲を書けてもどこか欠けているから魅力的である。小沢健二はその王子様的な容姿からも人気を得た。まぎれもなくアーティストだが、彼がアイドル的な人気を得ていたことはそのときの彼を見れば今の人たちにも分かるだろう。

どのアーティストを見てみても歌がそこまで上手くない人は、なぜかずば抜けてアートスティックな楽曲を書ける人が多い。そこには何かの共通点みたいなものがあるのかもしれない。逆に歌がずば抜けて上手い人はアート的な楽曲はあまり感じないことが多い。小沢健二は前者である。彼の楽曲からはとてつもないアート性を感じることができる。ヒットしていた当時はアイドル性もあってかそれを感じていた人のほうが少なかったかもしれない。もちろん小沢健二は高く評価されているアーティストである。あるが今の若い世代にはほぼ伝わっていないだろう。だからこそ今だから聴いてほしい。

小沢健二から受け継がれているもの

今の若い人にも例えばサブカルチャーが好きな人には少しは伝わっているだろう。渋谷系なる言葉を聞けば必ず小沢健二の名前にたどり着く。サカナクションなどの楽曲にも参加したりしているコーネリアス=小山田圭吾の名前を覚えればフリッパーズ・ギターにたどり着き、そして小沢健二にたどり着くだろう。シティポップスを鳴らすバンドが増えている今、渋谷系を覚えるのはすぐそばだ。Youtubeやサブスクリプションサービスでいとも簡単に音楽を探せるようになった今、小沢健二にたどり着いた若い人は多いだろう。もしたどり着いた人は他の人に薦めてみるのはどうだろうか。聴いてみてこれが20年前の曲?今でもイイ曲!って思ったならぜひ!

90年代にこういう音楽を鳴らしていた人がいたんだよって覚えてくれたらそれで幸いだ。あなたの耳に1曲でも残ればそれで良い。

もし気に入ったらアルバム「LIFE」から聴いてみてくれ。大ヒットアルバムだ。

あのころ聴いていた人もぜひまた聴いてみてはいかがだろう。
小沢健二、懐かしいを通り越して良い曲ばかりだろう!オザケンを聴くと東京タワーに行きたくなる!

LIFE / 小沢健二


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