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BUMPが変わった…BUMP OF CHICKENが変わったタイミング

2016年09月26日

BUMP OF CHICKEN

「BUMP OF CHICKEN」。今や国民的バンドの地位を築いた超人気バンドである。紅白歌合戦への出場やスタジアム、ドームツアーを完遂し、彼らを取り巻く環境や人達は常日頃変わり続けている。大ヒット曲「天体観測」をリリースして早15年以上の月日が流れた。15年以上経った今にしてこうしたバンドになったのは彼らなりのペースで音楽活動を続けてきた結果だろうか。BUMPはいつも自分達のペースで音楽活動を続け、それにファンやリスナーがついていく形で進み続けてきた。BUMP OF CHICKENはもう20年以上同じメンバーで活動を続けている。千葉の佐倉市で集まった幼馴染の4人が自分達の世界の中で作り上げた秘密基地。その小さな基地は今や日本中を取り巻く巨大船へと変わった。

20年以上も続けていれば「変わった」と言われる時期は度々あった。最近も「BUMPは変わった」「あの頃のBUMPはもういない」なんて言われているけど、そんなこと10年前から言われてることだ。ファン層も変わり続けている。例えば「天体観測」とか、アルバム「THE LIVING DEAD」をリリースした頃のファンはもう30歳を過ぎて落ち着いているのかもしれない。「花の名」やアルバム「orbital period」をリリースした頃にファンになった人はもう新曲を聴いていないかもしれない。「RAY」をリリースした頃にファンになった人は今もフェスやライブへ足を運んでいたりするだろう。

20年以上バンドを続けてるってことはそういうことだ。バンドメンバーの音楽への想いは変わらずとも、リスナーから見たら変わっている。変わり続けなきゃ進めない。BUMP OF CHICKENは常に変わり続けてきた。そんな彼らが変わった瞬間、タイミングっていつだっただろう?

メジャーデビューして変わった

最初にBUMP OF CHICKENが変わった、いやこれはどんなバンドも言われること。「メジャーデビューしてあのバンドは変わった」。もちろんBUMPも言われた。「FLAME VEIN」「THE LIVING DEAD」はその音とか歌詞カードからしてインディーズ感が全開だった。あの手描きの歌詞カードに惹かれて藤くんファンになった人も多いだろう。

だからメジャー後にリリースした「天体観測」が収録されているアルバム「Jupiter」の綺麗さ、ちょっと洗練された感に「変わった」と言われた。「THE LIVING DEAD」なんてアルバム曲のレコーディング期間が1週間しかない中で録ったものだ。ボーカル藤原は何度もこのアルバムを録り直したいと発言しているが、それをやってしまうことがダメなことを知っているから出来てもあえてやらないという。そんな1週間という短いスパンで録音されたものだから荒々しさがあり、逆に心掴むものになった。そんな「THE LIVING DEAD」が大好きだと言う人が多い。若々しくエネルギーに満ち溢れていたときの荒々しい作品。どんな芸術家だってそんな時期の作品は良い評価を貰える。

「プラネタリウム」で変わった

メジャー後で変わったとか、「天体観測」で売れて変わったとか、その昔々は言われていたが今聴き直せば十二分にこの頃も良い。「天体観測」がリリースされた頃に生まれた子が今頃BUMPのファンになっているのだろうか。

BUMPの何が1番変わったのか?もう何年も前から言われていることが「BUMPは昔の荒々しさがあった頃が良かった」。この荒々しさって一体何?荒々しさ、もしくは粗粗しさ。

それは例えば素人感とか未完成感とかインディーズ感。完成されていない、洗練されていない、綺麗に整っていないことを言う。人はどこか欠けたものに魅力を感じることができる。昔のBUMP OF CHICKENにはそれがあったという。でも今はない、いやだいぶ前からないらしい。

その荒々しさはアルバム「ユグドラシル」まではなんだかんだであった。「ユグドラシル」→「orbital period」を聴いたときに誰もが感じるだろう。「あれ、なんかすごいキレイになってる」。メイクやファッションを覚えた女の子が綺麗になってしまった、でもあの頃の素朴さや純粋さが良かったような感覚。

シングル曲「プラネタリウム」でシンセサイザーを取り入れて「変わった」とまた言われた。こういうのも最初からBUMP OF CHICKENの中にあった要素のひとつだったが、それを提示したことによって「変わった」と言われる。特にバンドサウンドに拘っていたバンドが、それ以外の音を入れると言われることだ。

「ユグドラシル」までと「orbital period」以降のBUMP OF CHICKENは違うバンドの音かと思うほど音も歌声も違う。昔のBUMPはアルバムや曲のリリースペースが他の邦楽アーティストと比べて極端に遅かった。若手バンドなのにも関わらずアルバムから次のアルバムまでの期間が3年空くなんてふつうのこと。だから「ユグドラシル」から「orbital period」の変わりようはものすごい。

「orbital period」は2007年リリースだ。その収録曲である「才悩人応援歌」という曲で、「ファンだったミュージシャン~こんなの信じてたなんて死にたくなるよ」なんて歌詞がある。変わった変わったっていつから言われ続けてるんだよBUMP OF CHICKEN。

音も変わった、歌詞も変わった

BUMPの魅力といえば歌詞だ。簡単な言葉の連なりなのに、ものすごく深い意味を持つ表現に見えてしまう藤原基央の書く歌詞が魅力的だ。その歌詞も年々変わってきた。そりゃあ人間だもの、思っていることも変わる。思ってることや吐き出したいことが変わる、それはわかる。だけど変わったことはそれだけじゃない。昔のBUMP OF CHICKENの楽曲の詩は、本当にどんなアーティストも嫉妬するくらいに推敲に推敲を重ねた歌詞で重みがあった。だけど今は昔に比べるとそこまでの重みは感じない。アルバム「COSMONAUT」まではその重みのようなものがあった気がするが、「RAY」以降の歌詞は明らかに変わっている。

それは藤原基央の制作姿勢が変わったからなのかもしれない。昔はまるで仙人のように自宅に篭もり歌詞を練りに練っていたという彼だが、ある時からそれを止めたという。レコーディングスタジオで曲を作るようになった。例えば昔の楽曲、歌詞を書きあげるだけで「ハルジオン」は約5ヶ月くらい、「ロストマン」は約9ヶ月くらいかけている。

修行僧のように自分を追い込みながら精神を削りながら書く歌詞は、それは他人からみたら良いものが出来るだろう。だけど本人にとっては命を削り取っているようなものだ。その作業があまりなくなり、良い環境で曲を書くようになったとなれば書く歌詞も変わっていくだろう。

姿勢も変わった ライブDVDやベストアルバム、メディア露出

音が洗練されていったのもそうだが、バンドとしての姿勢も変わった。

昔のBUMPを知ってるBUMPのイメージはこんな感じ。

「ブラウン管では評価されたくない」「ライブ中に手拍子するな」「カップリング曲はアルバムに入れない」「ライブDVDは出さない、生で見てくれ」

なんて刺々しい発言ばかりしていた若かりし頃の熱いBUMP。

でもBUMP OF CHICKENのメンバーもひとりの人間である。20歳の頃にしていた発言を30歳になっても言っている人なんて中々いない。自分自身だってそうだろう。

そんなBUMPはものすごいスピードで過去の発言をなかったことのようにしてきた。たぶん2010年以降のことだろう。正確に言えば2011年の「GOOD GLIDER TOUR」以降からのBUMPはものすごいスピードで変化を遂げた。2011年から現在までの活動スピードはかつての倍以上だろうか。30歳になってから活動が精力的になるバンドも珍しい。20代では自分達のペースを崩さず、決して媚びずに活動していたBUMP。30歳以降は丸くなったのか、むしろ変化を受け入れて楽しんでいる。「男は30歳から~」なんて言葉があるけど、BUMPのメンバーはそれに当たるのかもしれない。

ベストアルバムやライブDVDのリリース、新曲リリース間隔の短さ、テレビや音楽番組への出演、初音ミクなど様々なアーティストとのコラボレーション、東京ドームや日産スタジアムでライブをやり遂げるなんて昔から思えば考えられない。あのBUMPが紅白歌合戦に!?昔のBUMPしか知らなかった人は「なんで今更!?」と思ったはずだろう。MVがやけにキラキラしているし、戦闘服みたいな衣装を4人が着ている、ナニコレ!?と思った昔のファンも多いだろう。なんかEDMみたいなサウンドになってるし、一体BUMPに何があったんだ!?とまた聴いてみたくなった昔のファンもいただろう。

2011年以降のBUMPの活動は現役の熱いファンでも追うのが精一杯なくらいの活動スピードだ。むしろ「Jupiter」とか「ユグドラシル」の頃に熱いファンだった人は、今のファンに嫉妬しているかもしれない。

まだまだ変わる、どうなるのか気になる

変わってしまって離れたファン、最近ファンになったから変わったことの何がいけないのかわからないファン、これもBUMPなんだから受け入れているファン、言いたいことや芯の部分では変わっていないと信じているファン。20年以上も活動していればファンすらも変わり続けている。そう、変わったのはバンドだけじゃない。ファンだって変わった、この10年15年20年という月日であなたとあなたの環境はどれだけ変わっただろうか。

新しくリリースされた楽曲「アリア」。これもキラキラしていて華やかなBUMP OF CHICKENが見れる。これだけキラキラしたものが作れるってことはバンドとしてとても良い具合なんだろう。だけどそのキラキラが嫌になってきた人もいるらしい。変わった変わったと嘆かれている。

しかし今までもそうだったように、BUMP OF CHICKENというバンドは常に更新しているバンドだ。同じメンバーで同じことを歌い続けているのに同じじゃない、不思議なバンドである。次に一体どんなものを提示してくれるのか楽しみじゃないだろうか。もうこのバンドの今の姿勢にもそろそろ慣れてきたんじゃないか?最初は戸惑っていたファンももう慣れただろう。ぜひこの先のBUMP OF CHICKENがどんなものを見せてくれるのか一緒についていってみたくはないだろうか。BUMP OF CHICKENはまだまだ終わらない。


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