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イエモンが解散して復活したバンドなのに「前のほうが良い」と言えない

2016年08月18日

THE YELLOW MONKEY

THE YELLOW MONKEYは2000年に活動を停止し、04年に正式に解散を発表したバンドである。つまるところ10年以上もの間、メンバーが集まることなくこのバンドを見ることはできなかった。そもそもイエモンはもう再結成とか復活とかはしないだろう、誰もがそう思っていたかもしれない。美しいままに枯れた花はいつまでも美しい。語り継がれ、伝説だと言われ続ける。イエモンはそういうバンドで在ってほしいという想いが誰の心にもあったはず。だがイエモンは2016年に再結成し復活を果たした。

一度解散してまた復活するバンド、再結成をするグループ。それがどんな風に見られてどんな感じで復活を遂げるのか大体の予想がつく。それは今までそういったバンドが多かったからである。だがイエモンは違った。THE YELLOW MONKEYは10年以上の時間が経っていないかのような、あの頃からまるでタイムスリップしてきたかのような、そんな復活劇を遂げた。いや違う、むしろ進化している。

「前のほうが良かった」「再結成なんてしないほうが良かった」

そう言わせねえよと言わんばかりの伝説的ロックバンドの復活劇がここに在る。

THE YELLOW MONKEYは「前のほうが良かった」、が通じない

例えば全然声が出ていないとか、昔の曲が全く歌えていないとか、歌が下手になったとか、演奏に勢いが全く感じられないとか、昔の曲をアレンジを加えて演りやすいようにやってるとか、そういうことが再結成したバンド、復活したグループに起きる事柄だ。

あの頃の輝いていた姿、あの頃の熱量、勢いが良かったのに、それが萎んでしまってる、衰えている、そんなところを見るくらいなら復活なんてしなくてよかったよ。思い出は美しいままのほうがいい。そう言われてしまうのが「再結成」「復活」したバンドである。だから一度解散したバンドは復活しないほうがいいというのがこれまでの常識であり、風潮。解散したのなら美しいまま終わっとけ、それが解散を受け入れて、見ていたほうの総意。

でもこのバンドは違った、イエモンは衰えるどころかあの頃のまま、いやこの短期間の間に進化までしている。昔の曲が歌えなくなったなんてこともない、勢いを感じられないなんてこともない、ギッラギラだ。平均年齢50歳近いおじさん4人がギッラギラの熱気でムッラムラの色気を出している。これはもはや奇跡としか言いようがない。今までこんな復活を遂げたバンドは他にいるだろうか。ぜひイエモンのライブに足を運んでもらいたい。言っている意味がすぐに分かるだろう。

吉井和哉、メンバーの関係性がめちゃくちゃ良好

久しぶりに会った同級生のような関係が今のTHE YELLOW MONKEY。15年ぶりだかに会った同級生達がまた一緒に何かを始めよう、そんな風に見える。そして今のイエモンメンバーはめちゃくちゃ仲良さそうに見えるからこっちまで微笑ましくなってくる。演奏はギッラギラなメンバー達だが、時折見せる掛け合いや笑顔がたまらない。

このバンドこんな仲良かったか?と思うくらいの仲の良さがライブで見れる。15年前にこのメンバーに笑顔はない。15年、16年という時の流れがメンバー達をより深い関係性にした。バンド活動を続けるよりも辞めることを選んだことでメンバーの仲が良くなった。

ボーカルのロビンこと吉井和哉が最もメンバー愛が強いように見える。彼は「このバンドはもう絶対に解散しない」とすでに公言している。この発言はメンバーに対する愛情からも来ているのだろう。一度解散して見事な復活を遂げたからこそ言える言葉だ。このバンドが彼にとって最も大切な場所であることを確信したに違いないような言葉だ。

日本を代表するロックバンドである

この先、若いファンも増えていくだろう。50歳近いおじさん達のバンドに若いファンが増えていくのはなんて素敵なことだろうか。そんな若い人が知ることになるこのTHE YELLOW MONKEYというバンドは、確実に日本のロック史にその名を刻むロックバンドである。日本人の洋楽コンプレックスからきているこのバンド名。それなのにまるで白人のようにスタイルがよくカッコいいメンバー達。全盛期から見せていた洋楽バンドに劣らない演奏技術やカリスマ性、ロックスター性、どれをとっても日本を代表するに値するバンドだと言える。

15,6年ぶりに復活してなおこれだけのファンがいたことがその証拠だ。解散してからの今までの間でもこのバンドは聴き続かれていた、どこかで歌われていた。大ヒットしてブレイクしていた当時を知らない人もファンになっていった。

イエモンは一度解散して良かったと言えるバンドなんだろう。このバンドがもう一度次のステージへ行くにはこれだけの時間がかかったということ。あのまま続けていてもバンドはダメになっていっていたかもしれないし、5年前に復活してもそれはダメだったかもしれない。このタイミングで復活したからこそカッコいい姿を見れている。

まだまだTHE YELLOW MONKEYを知らない若い世代も多いだろう。これから知っていくのだろうが、こんなにカッコいいバンドが90年代にロックをぶちかましていた。

フジロック第1回、ロッキン第1回に出演している

バンドが好きな人ならフェスによく行く人もいるだろう。イエモンのスゴさを語ったらキリがないが、その1つにフジロックの初開催時に出演している。ロックインジャパンの初開催時に出演しているということが挙げられる。

フジロック初開催時は1997年のこと。日本で初めて行われた大規模な野外音楽フェスである。「夏フェス、夏フェス」と言われている今では当たり前の音楽フェスの歴史の幕開けだ。フジロック初開催時は台風直撃、今行われている苗場とは場所も違い、富士山の真下、山梨県天神山スキー場で行われた時である。フジロッカーの間では伝説と化している。レッチリやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、フー・ファイターズなど、超ビッグな海外ロックバンドが出演した第1回目の1日目のフジロック。そんなフジロックの初開催時にイエモンは日本代表のバンドとしてステージに立った。

ロックインジャパンフェス2016

そしてもう一つ、今では日本最大の夏フェスになっているロッキンことロックインジャパンフェス。このフェスの初開催時にもイエモンは出演している。夏フェスはイエモンとともに始まったと言っても過言じゃない。イエモンはその後すぐにフェードアウトしてしまったが、この15,6年でフェスは毎年開催され続け、毎年進化し続け、新旧問わずに様々なバンドを育ててきた。

そんなイエモンが2016年、再びロックインジャパンフェスの地に降り立ったのだ。00年の出演から16年の時が流れている。00年のロッキンではイエモンはすでに活動停止間近だ。バンドとしてはよろしくない状態、もう活動はできない状態に陥っていたときだったのだろう。この時の吉井和哉は青いジャージで現れ、投げやりにも見えるステージパフォーマンスを行った。他のバンドであればジャージ姿でもいいかもしれないが、イエモンに限ってはロックスターを演じなければいけない。

そんな青いジャージのイエモンから16年という月日が流れた。この時生まれた赤ちゃんは高校生だ。16年という年月が経ち、彼らは再びロッキンのあの時と同じステージに立った。復活を遂げた彼らはもの凄く熱く、カッコよく、清々しく、進化したバンド像を見せてくれた。16年という月日は人を衰えされることなんかない、むしろ進化できるんだと思わせてくれる素晴らしいステージであった。「前のほうが良かった」なんて言えるわけがない、それは彼らのライブを見て思ったことだ。

「あの時青いジャージ姿で出てきたけどもうあんなことは絶対しません」「イエローモンキーにはまだやり残したことがある、だから復活した」「そのやり残したことをやり遂げるまで僕らは死ねない」「もう解散なんて絶対にしません」「日本の再生を、君たちの再生を歌いたいんです」「僕たちがかつて憧れた、ローリング・ストーンズのようなロックスター達のように、僕らもそれに近づけるように、これからヨボヨボのおじいさんになっていってもロックンロールをやっていく、このバンドがどうなっていくのか、それを時々でいいから見ていてほしい」

そんなことを吉井和哉はこのフェスで口にしていた。そして彼らのライブは見事の一言しか言いようがなかった。それまで出ていたバンドやフェスのすべてを持っていったように見えた。一度解散して、そして再び復活するバンドがこんなにも見事にカッコよく復活を遂げたところを見たことがない。THE YELLOW MONKEYというバンドは確実に歴史に名を残すバンドだと確信できるようなステージだった。彼らが去った後もしばらくはアンコールの声援が止まずにいた、ライブ中はメンバーへの声援が鳴り止まなかった。それだけファンは待ち望んでいたのだろう。この月日の流れが再び伝説を作ったようだった。

日本のローリング・ストーンズに

THE YELLOW MONKEYが復活したきっかけ、吉井和哉がもう一度バンドをやりたいと思ったきっかけに、吉井自身がイギリスでローリング・ストーンズのライブを見たから、という話がある。復活してからのMCでも吉井はストーンズの名前を出している。ストーンズのように60代、70代になってもロックスターであり続けたい、いやそうなれるのがTHE YELLOW MONKEYというバンドだ。

ロックスターなんて言葉は古臭いかもしれない。今のバンドはロックスター性とかロックということに拘っていない。でも、カッコいいだろう?イエモン。これから彼らに惚れる、そんな若いファンが増えるのがTHE YELLOW MONKEYだ。彼らがロックスターとしての姿を、ロックバンドとしての形を持ち続けているからおじさんになってもカッコいいんだ。こんなバンドが日本に居て良かったとすら思える。そして彼らのようなロックバンドがもっと増えていってほしい。

THE YELLOW MONKEYは、「前のほうが良かった」なんて言えない、復活して本当に良かったバンドだ。


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