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スピッツのアルバム「醒めない」ロックバンドとしてまだまだ醒めない

2016年08月02日

スピッツのアルバム「醒めない」

スピッツが3年ぶりにリリースしたアルバム「醒めない」。タイトルの通り、夢から醒めない、何かから醒めない、ことがテーマになっているのだろう。アルバムタイトルと同名のアルバムリード曲でもある「醒めない」がすべてを物語っている。

スピッツがバンドとして、スピッツであることをもう一度見直すためのアルバム。それが「醒めない」。

スピッツがロックバンドとして在り続ける

スピッツはいつ聴いてもどのアルバムを聴いてもスピッツだ。どんな曲を聴いても捨て曲がない、あまり批判的な意見を聴かない、下の世代から憧れのバンドとして見られることが多い。それがスピッツ。

スピッツには安定感がある。バンドとして音楽性や姿かたちが変わり続けるバンドもいるが、スピッツは30年近くバンド活動を続けているにも関わらず良い意味で変わらない。その変わらない姿勢がロックだ。自分達がカッコいいと思ったものを貫き通す姿勢こそロック。

今回のアルバム「醒めない」はそんなスピッツが自分達を見つめ直すためのアルバム。曲を聴けばああスピッツだなぁと思える曲ばかりだが、そこに込められた想いは強い。リード曲「醒めない」を聴けばわかるとおり。

アルバムリード曲にも関わらずミュージックビデオがただのライブ映像だ。それもわざとだろう。制作するのがめんどくさいとか、そういうことじゃなくこの曲に込められた想いに寄せた映像だ。

まだまだ醒めない アタマん中で ロック大陸の物語が
最初ガーンとなったあのメモリーに 今も温められてる
さらに 育てるつもり

このたった3行の歌詞にスピッツの今の想いが凝縮されている。「醒めない」の歌詞はスピッツにしては直接的な表現が多いし、なんだか人間味臭い。スピッツもおじさんになったからかあまり飾ることをやめているのかもしれない。それでもスピッツらしい歌詞にもなっていて、「ロック大陸」「メモリー」「生き物」なんて単語がスピッツらしい。

カリスマの服真似た 忘れてしまいたい青い日々
でもね 復活しようぜ 恥じらい燃やしてく

任せろ 醒めないままで君に 切なくて楽しい時をあげたい
もっと膜の外へ なんか未知の色探して
さらに解き明かすつもり

作詞作曲をしているボーカル・草野マサムネ自身が、スピッツのメンバー自身があの頃に憧れたロックミュージシャン達。あの頃に聴いたあの衝撃を、想いを今も忘れない。あの頃があってスピッツがある、バンドがある。そして更にスピッツがバンドとしてまだまだ進化していきたいという想い。「任せろ」なんて言葉が出てくる通り、まだまだ俺らは終わらない、ついてきてくれと聴いている人達に言わんばかりの男らしさ。この曲はメロディーこそ綺麗で繊細な歌声で歌っているいつものスピッツだが、そこに込められた想いは熱い、煮えたぎっている。カッコいい。

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ギターはアンドロジナス

昼の光を避けて ブサイクな俺の歴史上
ギターは アンドロジナス 氷を溶かしてく

「ギターはアンドロジナス」

なんのことだろう?どういう意味?と思う人も多いだろうが、アンドロジナスとは「性別の差がない」ということ。時期からしてみてもデビット・ボウイに敬意を表した歌詞ではないだろうか。デビッド・ボウイは性の差がない、男か女かわからない妖艶な魅力で人々を虜にした。そんなデビッド・ボウイやロックミュージシャン達に憧れた少年の物語、あの頃の思い出が今も心のどこかで熱くなるときがある、と捉えることもできるだろう。

デビッド・ボウイの死後、彼の死を尊ぶアーティストは多い。桑田佳祐も自身の楽曲の詩に彼の名を出した。

スピッツは元々パンクバンドだった!?

スピッツのイメージといえば「ロビンソン」や「チェリー」などの切なくて儚くも綺麗なメロを歌い上げるアコースティック系なバンドだと思われがちだが、彼らは元々はパンクロックをやっていたバンドである。元々といっても30年くらい前の話だ。

スピッツにだってインディーズ時代はあり、ライブハウスで地道に活動していた時期がある。そんな頃の必死になってもがいてあがいて苦しんでいた時期のバンドとしての熱い想い。それを復活しようぜって今回のアルバムでは歌っているのではないか。

曲としてはメロディーとしてはポップな仕上がりになっているが、ギターの音がアルバム全体を通してガシャガシャ聴こえてくるし、曲だけじゃなくその姿勢から見ても彼らは紛れも無くロックバンドである。

30年近く活動していてまだまだロックバンドとして醒めないって歌っていることに下の世代は勇気づけられるとともに、俺らも頑張らなきゃと意欲を燃やせるだろう。今回のアルバムにはスピッツに憧れているチェコことCzecho No Republicのタカハシマイが「子グマ!子グマ!」という曲でコーラス参加している他、ソロシンガーであるスカートの澤部渡が「みなと」という曲で参加している。スピッツに影響されて音楽活動を始めた人達は今や多すぎるほどだ。そんな人達をもまだまだ引っ張ってくれているスピッツ。

こういうアルバムを曲を50歳近くになっても作ってくれることが単純に嬉しいし、スピッツってやっぱり良いな凄いなって思わせてくれる。スピッツはロックバンドとしてまだまだ醒めない。

醒めない(初回限定盤)(DVD付) / スピッツ


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