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匿名性をもって神秘性を バンド yahyel(ヤイエル)のやり方

2016年07月05日

yahyel(ヤイエル)

音楽に国境なんてない。よく使われる謳い文句だがそれは本当か?それは嘘じゃないだろうか。なんせ未だに日本人は音楽で世界的な成功を収めてはいなし、国境がないのであれば日本人アーティストがグラミー賞を毎年のように取ったっていいだろう。まだまだ言語の壁や人種の壁が音楽に国境を作っている。

英語を使わなければ白人には聴いてはもらえない、英語圏の人達には届かない。日本語ではこの小さな島国でしか通用しない。それは日本人アーティストが近年ワールドツアーを行ったり、ビルボードチャートにランクインしたりと、少なからずもなくなってきてはいるがまだまだその価値観は残留し続けている。

Youtubeを見てもそれは表れている。英語圏のアーティストの再生回数と日本人アーティストの再生回数じゃ桁が1つも2つも違う。それだけ英語圏アーティストは様々な国で聴かれているが、日本人アーティストを聴いている人種は限定されている。音楽に国境がないって英語圏内の国々での出来事では!?まさに白人至上主義。

そんな中、言語も人種もすべてを越えて、"わからない"バンドがyahyel(ヤイエル)である。音楽に国境はない、それを証明していく。

顔や名前、誰が歌っているのか

分からないっていうことは魅力的だ。謎が深まれば深まるほど、その存在のことが気になっていくし、その人の中で想像が膨らみ続けていく。この人は一体どんな人なのか?自分の中で作り上げていくことができるだろう。最大限に膨れ上がった想像、妄想。その人の中でより良いものへと構築されていく。その人のことをあまりまだ知らない、わからないから妄想が膨らむし、好きという感情も膨らむ。まるで恋愛なら片思いだ。

yahyel(ヤイエル)というバンドは匿名性を重視している。MVには決して本人達は出てこないし、メンバーの名前や顔も表には出さない、日本語で歌っているわけでもない。この匿名性によって日本人アーティストであるということを完全に消している。言語や人種の壁がどうしても出てしまう音楽文化に置いて、yahyel(ヤイエル)のようなアーティストは海外でも聴かせることができるのか。

映像に映しだされている文字も一体何語なのか?英語には見えない、古代文字か何かか?この文字は自分達で作ったものだという。こうやって匿名性を維持することによって出てくる神秘性。どんなスゴい人がこの曲を作ったんだろう?想像を掻き立てる。

yahyelはメンバーの名前は公表している。池貝(Vo)、篠田(sample, cho)、杉本(synth, cho)の3人。彼らは平成生まれの若きアーティスト集団であり、3人とも海外での生活を経験している。池田はスウェーデン、モンタナに留学。篠田はニューヨーク在住経験、杉本はロス生まれ、ワシントンD.C.育ち。という3人である。

そんな背景があるからこそ、こういった楽曲を作れるんだろう。日本で育って日本で生きてたら中々これにはたどり着かない。彼らは日本ではなく、海外に向けて自分達の音楽を発信している。

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SF作品的

yahyelの楽曲や映像はまるでSFだ。音楽ジャンルにSFがあるのなら彼らの音楽はSF。良質なSF作品ってのは謎が解明されないまま終わることが多い。見ている人へ余地を残す。考える余地を残すことによって、作品が終わった後もその作品に対して考える時間を与える。

言うなれば衒学的手法。あえて難しいように見せかけているがそこに答えはなく意味はない。そうすることによって観客に謎や神秘性、もしくは不快感、違和感を与える。一体何なんだこれは、と考えさせることができる。yahyelの音楽にはそんなSF作品的な部分がある。あえて見せない、出さない、難解そう、に見せて聴く人、見る人を魅了させている。

匿名性というデメリット

匿名性ってことはそれだけ好きになってもらえるきっかけが少ないってことだ。顔も見えなければどんな人が歌っているのかすら分からない。バンドであれば本人のビジュアルで好きになる人もいる。今の時代はYoutubeのミュージックビデオ有りきで好きになる人もいるので、どれだけ惹きつけるMVを作れるのかもカギだ。しかしyahyelは匿名性を重視しているから本人達は出せないし、映像としては好きになる人が限られたものである。

これをやるっていうのは心底、自分の作る音楽を信じている、良いと思っている、音楽で勝負したいってことだ。このバンドが素性を明かさないのは臆病じゃなく逆に勇気がいることだ。もしかしたら誰にも伝わらないのかもしれないのだから。

yahyelというバンド名は思想家バシャールが作り出した造語から来ている。思想家バシャールによれば人類が初めて接触する宇宙人のことをyahyelと名づけているそうだ。

そんな宇宙人的、人種がない、日本人であることを明かさないから海外にも届くかもしれないyahyel。海外で活躍している日本人アーティストっていうのは、「日本人」が英語を歌っているという奇抜さだったり、向こうにはない物珍しさで受けているのかもしれない。その日本人というフィルターがなくなったとき、音楽はどう届いていくのか。それを証明していくのがyahyelというバンドかもしれない。やっぱり音楽に国境なんてないのかもしれない。それはこれからの彼らの活躍にもよるだろう。このバンドが海外でどんな評価を受けるのか楽しみにしていよう。


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