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バンド、アーティストの寿命ってどれくらい?10年?20年?

2016年07月01日

ロックバンド

どんな魚でも鮮度が落ちていくように、どんな花でも枯れてしまうように、どんな人でも成長して衰退して死んでいくように、バンドやアーティストと呼ばれるものにも寿命なるものがある。応援していたバンドの音楽性が変わってしまった、メンバーが脱退してしまった、解散してしまった、メンバーが入れ替わってしまった、それは彼らがひとりの人間だから当たり前のことである。

考えて見ればどうしてスポーツ選手には引退の2文字があるのに、ミュージシャンやアーティストと呼ばれる人達にはそれがないのか。スポーツ選手の引退は肉体的な意味が大きいから引退をする。もうあの頃のようなバッティングはできない、若い頃のようなシュートは打てない、全盛期の頃のような俊敏な動きはできなくなる。肉体的に衰えて過去の自分を超えられなくなるってことはなんて恐怖だろうか。スポーツ選手はそれを直に味わっている。

しかしアーティストたる人達は肉体が衰えても音楽を奏でたり絵を描いたりすることはできる。だから自分が肉体的に衰えたとしても、活動を続けることが可能だ。10年、20年、30年活動しているアーティストがいるのはそれが理由だろう。でもそれは肉体的な意味であり、精神的に才能がもう枯れていたとしたら続ける意味はあるのだろうか。

今いるバンドの半数は10年後いないかも

アーティストは人だ。人がやっているからこそ変化を楽しむことが彼らを見ていく上での楽しみ方でもある。変化を求めないファンもいるがそれはどうやっても生じてしまうものであり、それは彼らが生身の人間だからだ。アーティストやバンドとは生身の人間同士がぶつかりあって火花を散らし合って、自分たちの作品を作ろうとするものである。これを続けてられるのは精々10年くらいじゃないだろうか。

同じような趣向を持った人間同士が集まり、作品を作り続ける。それを続けていったときには必ず活動開始から衰退するまでのサイクルがある。今回はこのアーティストサイクル、名づけてartist life cycle、ALCについて語ろう。

まだ自分達の実力も自分達で分からないような試行錯誤を繰り返す初期がある。初期はまだ言うなればインディーズ時代、自分達の行く末も見えずにもがいて苦しんでいる時期だ。インディーズ時代が好きな人はそんな彼らがもがいている姿、苦しんでいる時に生まれた作品が好きなのだろう。そういう作品は洗練されておらず良い意味で荒削りだ。この荒削り段階で夢破れていなくなるバンドだらけなのが現実。この段階を超えるだけでも大変。

そして作品を作る上での知識も実力も身についていく成長期、この成長期に作られた作品っていうのは大体が「名盤」とか「最高傑作」とか一般的には言われているだろう。でもファンから見るとそうでもなかったり。成長期で爆発的な才能を見せ、それが売り上げや人気と繋がり、その良い循環が更にアーティスト本人に刺激を与えてぐんぐん成長をしていく。この成長期にいるアーティストを聴く、見ることはとても気持ちが良い。本人達もその周りの環境もすべてが上手くいってるからだ。この時期にアンセムソングなるものが生まれることが多い。その後そのアーティストを表すことになる「代表曲」だ。

ファンもバンドも1番熱い時期

この成長段階にいるバンドはマジで熱い。冗談ではなく見てるだけでバンド全体から何か光ってるオーラみたいなものが見える。そんなふうに見えるのは熱いファンが最も多い時期だからでもある。ファンはアーティスト本人を作り上げる。成長途中のアーティストは1番人気を獲得している時期でもある。1番売れている、ファンが多くなる、顧客獲得大チャンス時期だ。音楽に感心が高い若いファンがごっそりと付く時期である。すべてが上手く周っているし、熱量も半端じゃない、だから見ていて気持ちが良い。

迷走していく?方向転換へ

そんな成長期を辿ったアーティストは、次なる試練が待っている。売れた後や自分の才能を開花させた後に何を作るのか。前作を超えられるような作品になるのか。売れた後や良いものを作った自分に苦しむことになる。そこで路線変更、音楽性を変えたり、違うことに挑戦して新たなカタチの作品を提示する。ここは成長過渡期とでも言おうか。ファンからすれば「あの頃はこのバンド迷走していたよな」「あの時はこのアーティスト、方向性おかしかったよ」と思われてる時期かもしれない。逆に「あの頃の路線に帰ってほしい」「今思えばあの時のほうが挑戦的だった」なんて思われることもある。しかしそんな時期を乗り越えたアーティストは10年、15年を越えて活動していくアーティストになり得るだろう。

そこまでたどり着けないアーティストのほうが遥かに多い。例えば今存在しているバンドは10年後も生き残っているだろうか。たった今活躍中の若手バンドは全員が初期段階か成長途中にいる。彼らが10年後に活動している保証はどこにもない。今は成長途中だから見ていて刺激だらけだし、聴いていて気持ちが良いし、リリースペースもコンスタントだ。成長しきったバンドはリリースペースが遅くなる。10年後に支持されている若手バンドは全部入れ替わっている。ファンだって新しくなる。それはみんなが生身の人間だから。

ちなみに、ビジュアルで好かれているようなアーティスト、顔ファンが多いバンドは成長段階で消えるだろう。特に最近は女メンバーを入れているバンドが多かったりする。その女メンバーをアイコン化アイドル化させて人気を得ているようなバンド、アーティストは10年後には消える。ビジュアル重視は消耗品だからだ。若さが何よりも魅力だという証拠でもある。

成熟していく

そんな迷走したり、新しいことに挑戦してみたりしたアーティストは、次なる段階へ突入する。成熟期である。ここで完全に出来上がる、やりきってしまう。この辺りで成熟しきった作品を出して解散したバンドは美しい。美しい花は咲き誇る時間が短く、枯れるのが早い。引き際を見間違えない、バンドとしてアーティストとしての引退である。引き際の良いバンドは後々に語り継がれて良いバンドだったと高評価を受けるだろう。たまに復活したりするけど。

しかし、引き際をわかっていても続ける人達もいる。それが15年、20年、30年続いているアーティストだ。彼らはなぜ続けることを選んだのか?そこまで行くと極々少数の限られた人にしかわからない世界だ。20年間も音楽活動をし続けるなんて天地がひっくり返るくらいの奇跡。そんな限られた人にしか味わえない世界だが、成熟しきったアーティストが過去の作品を超えるものを作れるか?と言ったら簡単にYESにはならない。成熟しきってしまった人の作品はどこかつまらない、熱があまりない、昔の作品とどうしても比べられてしまう、でもファンは良いと言う。それは仕方ないんだよ、もう若くもないしそれだけの熱量もないしね。成熟したアーティストはファン層もより固まってしまっている。新規ファン獲得が昔ほど進まないから、固定ファン、リピーター層が大事。彼らを大切にすることで音楽活動を続けることができる。

そして衰退期へ

どんな人間でも衰えていく、いくらアーティストが肉体的にスポーツ選手よりも活動し続けることができると言っても限界がある。歌声だって昔のような高い歌声は出なくなっていくし、声質だって変わる。昔のようなギターソロが弾けなくなる日だって来る、指が上手く動かなくなるようなときだって来る。

体力的にもライブで何十曲も披露できなくなる。それでも何とか維持しながら音楽活動を続ける人ってのはそれだけで偉大だ。そんな衰えていくアーティストを見ているのはとても痛々しいときもあるが、ファンはもうお母さんみたいな目線で見てる人が多いかもしれない。

少しくらいキーを下げてもいいから、頑張って歌ってほしい、ライブをしてくれるだけでありがたい。曲を書いてくれるだけでもありがとう。お願いだから無理しないで、良い曲がかけるまで休んでていいからね。そんな親心。誰だって人間は衰えていくんだし、ファンだってそれだけ歳を取ってライブも行けないくらいエネルギーもなくなるしで、アーティストもファンも衰退していくのが運命、なのか?

 

ロックバンド

何が衰退だって?進化の間違いだろ?

おじいちゃんカッコいいよ、おじいちゃん。

衰退なんて言葉で終わらせない、音楽には夢がある。これは進化、サルが人類へ進化したように音楽を奏でることによって進化し続けた人達。それがアーティスト。

バンド、アーティストと呼ばれる人達が生身の人間であること、それが常に流動していて時間とともに変化していくものだということ、だからこそ見ていて聴いていて面白い。変化していくことこそアーティストとして、いや人間として価値があるように思う。どんなものにもいつか終わりが来るからこそ、熱くなれるし面白いんじゃないか。永遠に存在するものなんてない、始まりがあれば終わりあり。その人達が活動を終えるその日までファンとして見届けてみないか。アーティストとファンは同じようにこの世界を生きているのだから。


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