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バンド「ミツメ」を聴いて心の"ゆとり"を取り戻せ

2016年06月28日

ミツメ

今の時代のバンドは2種類いる。膨大な情報量を詰め込んで飽きさせない楽曲を作るバンド。あえて情報を少なくして、でもそこには薄っぺらさを感じさせない楽曲を作るバンド。ミツメは後者のバンドである。

君は情報にさらされない日はあるか?スマホを触らない日はあるか?本来、人間にとって便利な情報を手に入れることのできるインターネットという広大な海、そこを航海するためのデバイスであったはずのスマートフォン。あまりにも膨大な情報量にさらされている現代人。情報を手に入れたいはずが、逆に情報に自分が動かされている状況に陥っていないだろうか。

音楽はその時代を表す、そんな情報過多の時代に作られた音楽も情報量が多い。耳に飛び込んでくる数々の組み込まれた音の周波数。10年前、20年前の楽曲よりも音の数が多い。情報過多の現代人の耳に合っている音楽が作られている。

そんな中、そうじゃない音楽を作る集団もいる。こんな時代だからこそ、時代に対するアンチテーゼか、逆行して音楽を鳴らす。

たまにはゆったりとした時間の流れを体感してはみないだろうか。

ミニマルな音作り、バンド「ミツメ」の姿

2009年に結成された4人組バンドのミツメ。メンバーは川辺素(Vo,Gt)、大竹雅生(Gt,Syn)、須田洋次郎(Dr)、ナカヤーン(Ba)。

彼らの作る音楽は音数が少ない、つまりミニマル。めまぐるしく世界が変わっていくような展開を見せたりする、近年のハイレベルな楽曲とは相反する楽曲を制作している。ミニマルだからといって、音が薄いとか楽曲が薄っぺらいということはなく、そこにはミツメの世界が丁寧に構築されている。

自分たちの生活や環境の中でのみ作る音楽。それがミツメの音楽。売れることやリスナーへの反応など考えないような。自分たちが良いと思ったもの、100年後にももしかしたら聴いてもらえるかもしれない、そんな変わらない音楽を作っている。ミツメは初期の頃から、ボーカル川辺の自宅で音楽制作をしてきたという。そこからスタートし、現在では自分達の作業現場のような音楽基地を自分達で開拓し、そこで音楽作りに励んでいる。MV撮影や、ライブの物販作り、楽曲以外の制作に関しても自分達の周りにいる人達だけで行っている。完全なる自分たちだけの世界、外界からの接触をあまり受け付けない、外の色には馴染まないからこそ自分たちだけが良いと思う音楽を作ることができる。ミツメの音楽は普遍的である。

シュール。まるで時間の流れが遅くなったような感覚。何気ない風景であり、どこにでもあるような場所だが、ミツメの音楽と合わさるとゆったりとして流れていく間隔が心地良い。

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サイケデリックである

ミツメの曲には、心が浮遊するようなもしくは沈むような、現実なのに少し現実っぽくない世界にいる、聴いているとそんな感覚だろう。これはサイケだ。サイケデリックの特徴を持っている。サイケデリックロックとは麻薬症状で引き起こされる、幻覚を見るような心地良い感覚を音楽で表そうとするものである。ドラッグで味わえる感覚をロックで体感させるのがサイケ。ミツメの楽曲にはその要素が含まれている。

聴いているときだけ時間の流れが変わっているような、体感時間が変化している。海に潜っているとき、水に潜っているときの時間間隔は曖昧で分からない。どれくらい時が過ぎたのか分かりづらいし、まだそれくらいしか経っていなかったのか、もしくはこんなに過ぎていたのか、なんてことがある。ヘッドフォンを耳に当てて、イヤホンを耳に当てて、暗い部屋で目を閉じて音楽を聴いているときの感覚も同じく、どれくらい時が過ぎたのか分かりづらい。そんな体感時間を利用して、更に心地良い気分に浸ることができる、それがサイケデリックであり、ミツメが表している音楽ではないか。

「A Long Day」

アルバムタイトルにもある通り、こんな情報社会の中だからこそ、長くゆったりとした日々を感じてみたいという人へはミツメはオススメだ。だがこんな楽曲を作るバンドが出てきたのは、情報社会だからでもある。

多分化、細分化された情報の中から自分に合ったものを取り出せる、見つけることのできる時代で、ミツメのような音楽を必要としている人はちゃんとそれを見つけている。現代人は逆に情報に飲み込まれているんじゃないかと言ったが、情報を上手く扱えば自分にとって有益なもの、それのみで満たすことができる。

そうやってミツメのような音楽を見つけだす人がいるからこそ、ミツメのようなバンド活動ができるし音楽制作ができるというわけだ。誰も見向きもしないような場所で誰も知らないような倉庫や空き地でライブ活動ができるってわけだ。そんな小さな情報すらも自分自身の手で取得できる時代だからだ。誰も知らないような東京の郊外でバンドが生きていくためにバンド活動ができる、なんて幸せな時代だろうか?それは今という時代が情報に満ち溢れた情報社会だからだ。どんな些細で小さな情報も見つけ出せる。情報社会も悪くないだろう。ミツメに辿り着いた人は幸せな人である。ありあまる情報の中から見つけたミツメを聴いて、心に平穏と安静、ゆとりを。

ミツメというバンドは今の時代だからこそ出てきたバンドである。

A Long Day / ミツメ


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