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"らしさ"って?フレデリックが引き出し1つで魅せる

2016年06月08日

フレデリック

自分らしさって何だ?性格、人柄、血液型、好きなもの、嫌いなもの、好きな人、好きな音楽、嫌いな人、嫌いな音楽、そういうもので構成される自分らしさ。それは人ひとりにも言えるし、バンドひとつにも言える。それがバンドらしさ。このバンドはこうであってほしい、このバンドだからこそそんな音は入れないでほしい。バンドとして一貫性を持って欲しい、具体的に言えばメンバーの楽器しか聴こえなかったのに、シンセとか入れだしたらそのバンドらしさがなくなったり、など。バンドらしさっていうのもバンドには必要だ。

フレデリックというバンドがいる。このバンド、自分たちのバンドらしさなら誰にも負けないだろう。今のところバンドとして一貫した音楽性を提示してくれている。2009年結成、2014年メジャーデビューしたスリーピースバンド。フジファブリックとなんか名前かぶる。

「全部同じに聴こえる」

よく言われる、誰でも長くアーティスト活動を続けていると言われる。

それが「全部同じに聴こえる」「全部同じ曲じゃん」「似たような曲多すぎ」。

サザンもB'zもミスチルも言われてる、そりゃ1曲1曲聴きこんでないからだろうがとファンは言いたいだろう。よほどのファンじゃない限り、1曲1曲聴きこむ人なんていない。パッと聴いたりイメージだけで「全部同じに聴こえる」って言ってるだけだ。

いやでもあながち間違いでもない。J-POPシーンを駆け抜けてきた、オリコンチャートに毎回君臨する人たちってのは楽曲パターンが決まっていたりするから同じに聴こえるのも仕方ない。毎回毎回同じ展開の曲調で飽きたよって言われるのも仕方ない。しかしそれが王道というもの。

長年続けて楽曲を量産しまくっていればそれも分かる。そりゃ同じに聴こえるものも出てくるだろう。しかし、今回取り上げるフレデリックというバンドはまだメジャーデビューして数年にも関わらず、すでに同じように聴こえる楽曲ばかりである。むしろ「わざと」それをやっている。フレデリック流とでも言うべきか。同じように聴こえるってことが「悪い」のか「良い」のかは聴く人の判断に任せるべきだが、フレデリック、聴いてみよう。

この「オドループ」はフレデリックを知らなくても聴いたことがある人は多いだろう。中毒性のある電子ロックに、モデルの女の子に素人っぽいダンスを踊らせることによって大ヒットした楽曲である。再生回数は1000万回以上を超えている。1000万回っていう数字は相当の再生回数。「オドループ」の場合、バンド名より楽曲が先に知れ渡った例である。オドループってタイトルからも中毒性を意識して作った楽曲だ。MVもそれに合わせた内容になっている。

このオドループで味を占めたのか、それともハナからそういう方向性で行くつもりだったのか。オドループによって知れ渡ったフレデリックは、オドループ大作戦に出る。

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一発でフレデリックだって分かる

オドループの再生回数がぐんぐん伸びていったら、それを使わない手はない。第2のオドループを作ろう!って思うだろう。オドループのような楽曲でヒットしたのに、ここでいきなりバラード調のラブソングでも歌ってみたらそれは悪手すぎる。それは挑戦とも言うべきことなのかもしれないが、フレデリックはここでフレデリックらしさを手に入れた。

正直2発目にこの「オワラセナイト」をもってきたとき、あぁやっちゃったかと思った人も多いだろう。もうこれやったら引き下がれない、こういうバンドだと認識される。しかもMVまで前作と被らせている。売れるってのは大変だ、こうやって他のバンドと差別化しないと認識すらしてもらえないのだから。

2発目でこれをやってしまったら、次はどうするの?ってことになる。1作目は高評価され、2作目もまぁそこそこの出来、で3作目と来たら…、映画でよくあるこのパターン。3部作ならまだしも、1作目で終わらせとけば良かったのにって映画。なんで続編作っちゃったんだよって映画だ。しかしフレデリックはそんなことは何のそので3作目も作った。

フレデリック流の完成。女の子を2人出して、中毒性のあるループするサビ。もはや誰が見てもフレデリックだと分かる。ちょっと聴くだけでフレデリックだと分かるだろう。

フレデリックのやり方は音楽を聴く若い層にとってはかなりの効果を発揮している。今音楽を聴く若い子は、ほぼほぼYoutubeで聴いているためフレデリックのような中毒性ある音、映像は超効果的だ。岡崎体育も曲中でそう言ってるだろう。女の子踊らせとけって。

バンド多すぎて

同じようなバンドが多すぎて多すぎて、このバンドあのバンド状態の今の時代。フレデリックのように一貫したバンドらしさってのは逆に強みになっている。新人バンドを聴いても「なんかこの曲どっかで聴いたことあるんだよなぁ」って思うことが多い中、「この曲フレデリックの曲じゃん」って感じさせることに成功している。新曲を出してもフレデリックらしさを失わない安心感。フレデリックじゃんこれ、っていう安心。毎朝トースト&目玉焼きじゃないと安心できないみたいなもの。

まだそこまでには到達していないかもしれないが、そこまで行けば「フレデリック」っていうジャンルを確立できるかもしれない。もしフレデリックと同じようなことをしても、これフレデリックのパクリじゃんって言わせることもできる。

たった1つの引き出しの中から、限られた材料を組み合わせて同じ色に見えるけど完璧に同じではない。それがフレデリック流。

これがフレデリックというバンドだ。

新曲を聴くたびにフレデリックらしさが溢れ出ている。全部同じようにも聴こえるという感想もあれば、フレデリックらしくて良いなって感想もある。この"らしさ"をこの先も失わないでいってもらいたい。

でもたまには白い米や味噌汁も食べたいかもしれない。


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