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ゆらゆら帝国というバンドについて

2016年06月07日

ゆらゆら帝国

2010年に解散したゆらゆら帝国。彼らが日本の音楽業界に与えた影響は計り知れない。解散してから早何年が経つのか、すでにゆらゆら帝国と聞いても何それお笑い芸人?と知らない世代も次々と出てきていることだろう。

ゆらゆら帝国とは日本の音楽においてサイケデリックロックを定着させたバンドである。バンドブームに乗っかり現れた彼らだが、その芸術性の高さとバンドとして音楽実験を繰り返していった姿勢に音楽ファンを虜にした。サイケ、ガレージロック、ポップスなどを取り入れ商業的にも成功したバンドだ。そしてゆらゆら帝国としてバンドとしてすべてをやり切った後、2010年にバンド解散。バンドとして何とも美しい終わり方を遂げた。商業的に成功したバンドだが、ゆらゆら帝国は芸術である。

なぜか癒されていくサイケデリックロック

ビートルズのアルバムの中でも後世に語り継がれている作品が「リボルバー」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」である。このアルバムは実験的要素がふんだんに盛り込まれており、そこにはサイケデリックロックが表れている。サイケは60年代後半にアメリカ西海岸で始まった音楽ジャンルのことだ。セックス、ドラッグ、ロックンロールなんて今や誰も使わないが、ドラッグとロックが融合したジャンルがサイケ。ドラッグによって引き起こされる幻覚症状を音楽としてロックとして落とし込んだジャンルである。それを更にポップスとして昇華していったのがビートルズの作品だ。

そんなサイケというジャンルを日本でまともに唯一といっていいくらいバンドで表し続けたのがゆらゆら帝国である。ゆらゆら帝国は初期の作品からそれが大きく表れており、「3×3×3」「EVIL CAR」などが有名である。「EVIL CAR」という楽曲は、10分近くある楽曲だ。10分近くの大作をメジャー1stアルバムから収録していることがすでにこのバンドの異質さを物語っている。一体どこへ連れて行くのか、まるで天国にでも上っていくような感覚に囚われるこの楽曲は、ゆらゆら帝国が残した名曲のひとつと言えるだろう。時速40キロで走っている車が徐々にスピードを上げて、110キロ、120キロ、静と動を見事に表した楽曲である。

これがゆらゆら帝国。なんだかよくわからないバンドと思う人も多いだろう。

ちなみにゲスの極み乙女。の川谷絵音もゆらゆら帝国から影響を受けている。という情報はいらなかっただろうか。

坂本慎太郎が描く誌世界

サイケやポップス、和製ロックを追求してアルバムごとに実験を繰り返していったゆらゆら帝国。その音楽性も見事ながら、このバンドの楽曲の魅力は詩にある。

元々、芸術分野の心得があったボーカルの坂本慎太郎が歌詞を書き、アルバムのアートワークなども手がけている。多摩美術大学を出ていることから、彼の中にはデザインのそれが最初から携わっていた。風貌からもそれは如実に出ていて、長髪パーマに短い眉、ボーカルの姿がすでに芸術である。気持ち悪い人には気持ち悪い、しかし芸術は気持ち悪いものだ。

そんな彼の描く世界、歌詞は独特。難しい言葉を使っているわけでもなく、しかしダサいとかカッコ悪いとか微塵も感じられない。優れた幼稚性と優れた視点を持っている。

「無い!!」

びんずめ のためい きがうみ にながさ れたよ
きのうが じどうて きにけさ につなが れたよ
こきゅうが うただ こどうが りずむだ

ほんのち いさなあ きらめが あつめら れたよ
びんずめ のためい きのふた があけら れたよ
じかんの うただ とけいが りずむだ

最終回の 再放送は
最終回の 再放送は
最終回の 再放送は
最終回の 再放送は
無い!!

そしてライブ、ライブパフォーマンスでもゆらゆら帝国はその実力を見せてくれる。

ライブバンドと呼ぶべきバンドでもあり、動画で分かるようにここまでの表現力を見せてくれる。アルバムや楽曲にとことん拘りを見せて実験をしているバンドが、それをライブで表現できるかといえば難しいところがある。しかしゆら帝はそこも難なくクリアしている、むしろCD音源以上を見せているのだから脱帽だ。ライブでは生々しさ、どこか生臭さを感じることができる、生と死を違和感なく表現できている。メンバー亀川千代のベースライン、坂本のギターテク、どれをとっても一級品。彼らのライブを見ていた人はもはやゆらゆら帝国以上のバンドを自分の中に見出だせなかったかもしれない。

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音の引き算

バンドがある程度のところまで到達すると音を引いていく、ということをやり出すのが常だ。これは過去でも今でも経験を重ねていったバンドは誰もがたどり着くところだ。あまりにも無駄に音を重ねすぎていた、音の厚み、聴こえないほどの音を入れることに何の意味があるのか、そこにその音は本当に必要なのか?ということ。背景を描き込みすぎている漫画家みたいなものだ。そこから必要のない音を引いていく、音の引き算。それをゆらゆら帝国も最終的にはしていくことになる。しかし彼らが引いた音はあまりにも大きく、ロックバンドとして機能する限界まで音を引いた。そして辿り着いた到着点がこれだ。

2007年にリリースした最後のアルバム「空洞です」。このアルバムはボーカル坂本が「過去最高の完成度」と自評し、このアルバムで「ゆらゆら帝国は完全に出来上がってしまった」と結論づけ解散に至った。

なんとも美しい幕引きだろうか。最後の最後まで音楽を作ることを愛して止まなかったバンドは、バンドとしてやれることをすべてやり切った上で解散した。 幕引きが美しいバンドは語り継がれる運命にある。だからこうして解散して何年も経った今も聴かれているのだろう。

ぜひこんなバンドがいたことを今の若者は知ってほしい、そして聴いてもらいたい。アルバムは1stアルバムの「3×3×3」から順番ずつ聴くことをオススメする。

ゆらゆら帝国というバンドがその昔存在した。

3×3×3 / ゆらゆら帝国


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