2016年05月03日
ブラックなのに甘い、それがLUCKY TAPES(ラッキーテープス)というバンドだ。Yogee New Wavesなど東京インディポップなるものが盛り上がっている今、そこに仲間入りしているのがこのLUCKY TAPES。メンバーはまだまだこれからの若者であり、若い才能が次々に頭角を現し始めているのを実感できる。
音楽性は70年代、80年代のブラックミュージックを日本人っぽくしている。星野源のバンド版といえばわかりやすい。ブラックミュージックに日本人っぽいというか日本人なので日本人らしい歌い方、更にキャンディみたいに甘いポップミュージックが上乗せされている。ディスコっぽいパーティーサウンドでありながらも落ち着ける静けさ、孤独を癒してくれるようなサウンドが魅力。
ブラックミュージックを日本人の耳にも馴染みやすいようなポップスに昇華したのが星野源、いやこのLUCKY TAPES(ラッキーテープス)も負けてない。LUCKY TAPESのメンバーはなんと言っても若い。
高橋 海(Vo / Key)
田口 恵人(Ba)
濱田 翼(Dr)
高橋 健介(Gt / Syn)
彼らの音楽のルーツは?ボーカルの海さん、海ってすごい名前だ。彼は親が洋楽好きだったことからマイケル・ジャクソンやプリンス、カーペンターズなどを聴き、そこから自分でも好き好んで洋楽を聴いていったという。高校の頃になるとカラオケでみんなと一緒に歌いたいために、ミスチルやコブクロ、などを聴き漁ったりしていたごく普通の若者。大学に入学するときにアジカンの「ソラニン」を聴いてバンドをやりたい!と思ったそうだ。アジカンありがとう。
そんなルーツがあるボーカルの海、これだけじゃブラックミュージック性はどこにもない。ブラックミュージックを取り入れるようになったのは彼が大学を出た以降のことのようだ。それなのにも関わらず、こんな曲を作れるってこと。いわゆる才能ってやつだ。
甘っ、甘い。なにこの甘さ、甘すぎる。そしてこのおしゃれパーティー、どこの世界の出来事だ。
でもオシャレ、こんなバンドが鬱屈したバンド界のイメージを変えてくれるだろう。バンドってこんなオシャレだよって、女子のみんな一緒に踊ろうぜって。
最近こういうバンドが増えてきている。
いやロックバンドらしいバンドもある。鬱屈した青春時代を送り、そこで溜め込んだ自分の思いを吐き出してるような汗臭いバンドもある。その一方でこのLUCKY TAPESのようなゆるーく、余裕があって、そしてオシャレで、僕たち東京でバンドやってるんですよね、みたいな感じで、勢いとか熱意とか表からは微塵も感じられないようなバンドが増えてる。必死さが表立って何も見えない。生まれたときから表参道のカフェにでもいるかのような余裕感と脱力感。夢を追いかけろよ夢を。東京生まれってのはこれだから困る。
LUCKY TAPESは鎌倉生まれ。でも余裕がある。
これ表参道のカフェで流れるやつじゃない?
いや表から出ていないだけで内に持ってる熱意は誰にでもあるだろう。ただこの何かを悟ってしまっているような余裕はどこから来ているのだろうか?それが今の若者特有のものだとしたら。やってる音楽がそうだからそういう風に見えるというのもあるがそれを踏まえても余裕さがある。
鬱屈した青春時代を送ってきたのは彼らもたぶん同じだろう。全員が全員そうじゃないが、音楽を本気でやる人間は大体そうだ。カラに閉じこもっていたからこそ、自分を音楽で表現する。ただこの時間を持て余しているような余裕さ、もがいているような感じがまるでないのはどうしてだろう。彼らには何か共通点があるのかもしれない。
それにしても癒される、眠る直前に聴いたらいい安眠効果になりそうだ。
こういうバンドが増えている中でどのバンドが生き残っていくのか。他のバンドとの相違点は?
とにかくセンスがいい。
このMVよく見てほしい。とてもオシャレなMVだが、やっていることは至ってふつう。ボーリングやって水鉄砲で遊んでいるだけだ。見せ方次第でここまでオシャレにすることができるってことでオシャレな映像を作りたい人は参考にすべし。
MVからも感じられるようにセンスがいい。LUCKY TAPESはセンスがいい。センスがいいバンドは長生きできる。もう二階堂ふみ主演の映画にも楽曲提供してるしね。くるかもよこのバンド。
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